1991 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウムーハライドフラックス法による極低酸素チタンの製造に関する研究
Project/Area Number |
03453062
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野 勝敏 京都大学, 工学部, 教授 (10026049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 敏雄 京都大学, 工学部, 助教授 (80026145)
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Keywords | カルシウムーハライドフラックス / チタン / 脱酸 |
Research Abstract |
チタンは酸素との親和力が極めて強く,直接酸素を除去することは非常に困難である。金属カルシウムの脱酸能力を利用したカルシウムーハライド脱酸法によって50mass ppm前後のチタンを製造することができた。しかしこのレベル以下については,副生成物のCaOがフラックス中に濃化するため脱酸限界が生じる。そこでこの方法をさらに発展させ,電気化学的方法を用い,さらに低酸素濃度のチタンを製造することに成功した。この方法は脱酸剤のCaをCaCl_2を電致することによって得,さらにCaCl_2に溶解した反応生成物のCaOを電気分解することによってCO又はCO_2ガスとして系外へ除去することにより極低酸素レベルまで致達させる方法である。 真空中473Kで脱水処理したCaCl_2を1173Kに昇温,溶解し,初期酸素濃度の異なるチタン試料(200〜1400ppm)を陰極として,またカ-ボンを陽極として用い,5〜6Vの電圧を印加し20ks以上通電した。得られたチタン試料は,LECOによる酸素,窒素,炭素分析を行った。 その結果,CaCl_2の溶融塩電解は極めて効果的に行われ,10ppm以下のチタンを製造することに成功した。またその純度は残留低控比(RRR)測定を行い確認している。 次にカルシウムーハライドフラッス脱酸法を金属間化合物TiAlの脱酸に応用した。脱酸実験に先立って,TiーAlーCa系の1273K付近における相平衡関係をもとめ,TiAlの脱酸に適しているCaーAl合金脱酸剤の組成,温度を決定した。初期酸素濃度510〜4200ppmの異なるTiAl小片や粉未をCaCl_2やCaOと混合し,1273ー1473Kの温度範囲でCaーAl合金を脱酸剤として用いて精製した。得られた酸素レヘルは初期濃度510が30ppmへ,1100が270ppmへ,4200が630ppmへ,800が130ppmへと極めて効果的な脱酸効果を得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 岡部 徹: "カルシウムーハライドフラックス脱酸法による極低酸素チタンの製造" 鉄と銅. 77. 93-99 (1991)
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[Publications] T.H.OKABE: "The rmodynamic Properties of Dilcete Titaniumー6xygen Solid Solution in Beta phase" Materials Transactions,JAPAN Institute of Metals. 32. 485-488 (1991)