1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03453064
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 龍三 東北大学, 工学部, 教授 (20005341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 亮 東北大学, 工学部, 助教授 (50177664)
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Keywords | 傾斜機能材料 / SiC / AlN / セラミックス固溶体 / バーナー加熱試験 / 材料設計 / 熱応力緩和機能 / 焼結 |
Research Abstract |
SiC、AlN、ジルコニア等のセラミックスとステンレス鋼、Mo等の金属の組合せによる熱応力緩和型耐熱傾斜機能材料の設計ー試作ー評価を行った。前年度に取得した焼結基礎データや組成と各種熱機械的性質の関係を用いて、耐熱および遮熱性、熱応力緩和機能、およびき裂進展抑制機能の最適化に関する材料設計を実施し、それに基づく傾斜機能材料の試作を行った。得られた試料について、組成分布や組織の定量化を行い、所定の特徴を備えていることを確認した。SiCーAlNセラミックス固溶体とMoの組合せより成る傾斜機能材料については、表面温度が1600℃、裏面温度が600℃、温度落差1000℃の熱負荷に耐えるものの、加熱冷却のサイクルにおいてセラミックリッチ側に内部から縦き裂が発生することがわかり、なお組織抑制による材料特性改善の必要性があることが認識された。一方、PSZ(部分安定ieジルコニア)とステンレス鋼の組合せについては、殆、設計通りの性能が得られた。傾斜機能材料の熱機械試験は、主としてバーナー加熱試験により行ったが、加熱1冷却時のアコースティックエミッションの観測を通して、高温加熱時にはき裂の発生はなく、冷却時にき裂が発生することがわかった。これは、高温におけるセラミックスの非弾性変形によると推定された。また、遮熱性は、試料の厚さや組成分布に強く依存するが、加熱されたセラミックス表面からの熱放射の占める割合も大きいことがわかった。バーナー加熱試験のような高温度落差場における傾斜機能材料の損傷は、いわゆる熱衝撃破壊現象であり、材料の受ける熱応力履歴がわかれば、一応解析が可能なことがわかった。今後、これまで得られた知見に基づいて、より最適化した傾斜機能材料の設計が可能になることが期待される。
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Research Products
(2 results)