1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03453078
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 欽生 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (60107084)
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Keywords | NbN_<1-x>C_x / 燃焼合成 / Ti窒化 / TiN |
Research Abstract |
昨年実施したTi-Si-CおよびTi-C-Ni系における固相-固相間の燃焼合成プロセスの解析に続き、本年度はNb-N-CおよびTi-N系での高圧窒素雰囲気での固相-気相間の燃焼合成プロセスを解析し、NbN_<1-x>C_x固溶体の燃焼合成機構を解明した。又、応用としてTi金属の高速窒化処理法を開発した。 Nb-N-C系では、NbとC粉末を種々の組成で混合し10Mpaの高圧窒素中で自己燃焼させた時の、燃焼面伝播速度、燃焼時の最高温度、生成物組成と形態等を測定した。その結果、NbN_<1-x>C_x固溶体はX=0.8組成まで燃焼が継続し、良好な結晶性の固溶体粉末が得られた。両端成分であるNbN、NbCの生成熱と融点の関係から、C量が増えると燃焼温度と速度が低下した。燃焼面の結晶相はNbN、Nb_2Nと未反応のNb、Cからなっており、燃焼が進行している時は不完全燃焼であり、燃焼面が通過後も反応が継続していることがわかった。燃焼面の組成と生成熱をもとに、熱力学計算で求めた燃焼温度と実測値がよく一致し、燃焼進行時にはNb粒子表面の窒化反応のみが生じていることが裏づけられた。一方、熱力学計算によれば、高温ではNbNよりNbCが安定である。これらの結果から、NbN_<1-x>C_x固溶体の形成は、まずNbの窒化燃焼が生じ、ついで燃焼熱によって炭化反応が進行する機構によることが判明した。このような複合化機構は、他の炭窒化物にも適用できるものとみなされる。 Ti-N系の窒化燃焼反応では、Ti金属板上にTi粉末を燃焼剤として適量コーティングし、数MPaの窒素圧中で燃焼させることにより、瞬時に数μmのTiN層を形成する。窒化処理法を開発した。解析の結果、表面部は瞬間的に2000℃近くに達するが、10秒程度で100℃に下り、熱履歴は内部まで及ばない。本法によれば、外部加熱なしに瞬時に窒化でき、任意の場所の窒化も可能である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Y.Miyamoto: "Synthesis of Functionally Gradient materials by the Gas-pressure Combustion Sintering" Proc.The 35th Japan Congress on Materials Research,The Soc.Mat.Japan. 1-6 (1992)
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[Publications] 久米 道也: "自己燃焼反応によるチタン表面の窒化" 材料. 41. 552-556 (1992)
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[Publications] X.Ma: "Fabrication of TiC/Ni Functionally Gradient Materials and their mechanical and thermal properties" Ceramic Engineering & Science Proceedings. 13. 356-364 (1992)
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[Publications] Y.Miyamoto: "HIP in SHS Technoloqy" Int´l.J.of Self-Propagating High-Temperature Synthesis. 1. 147-154 (1992)
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[Publications] M.Kume: "New Nitriding Process Using SHS" Int´l.J.of Self-Propagating High-Temperature Synthesis. 2. 265-270 (1992)
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[Publications] Y.Miyamoto: "Combustion Synthesis of Superconducting NbN_<1-x>C_x" J.Materials Synthesis and Processing. 1. (1993)
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[Publications] 宮本 欽生: "実験化学講座16(共著)、固相合成-燃焼合成" 丸善, 5 (1992)
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[Publications] 宮本 欽生: "燃焼合成の化学(共著)" ティー・アイ・シィー, 30 (1992)