1991 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト触媒による炭化水素酸化における形状選択性の研究
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03453081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辰巳 敬 東京大学, 工学部, 助教授 (30101108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 義人 東京大学, 工学部, 助手 (70213709)
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Keywords | ゼオライト / 形状選択性 / 酸化 |
Research Abstract |
ゼオライトの有する分子オ-ダ-の細孔を持つという特性を利用して分子形状に基づいた特異な選択能を有するいわゆる形状選択的触媒の研究を行なった。従来の形状選択的反応はゼオライトが本来有する酸性を利用した反応にほとんど限られていたが、われわれはチタンを含んだZSMー5型ゼオライトであるチタノシリケ-トが直鎖炭化水素のみを酸化し、環状炭化水素を酸化しないという特異な形状選択性を示す酸化触媒であることを発見した。ケイ酸およびチタン化合物を原料とし、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイドならびにテトラブチルアンモニウムヒドロキサイドを細孔径調節剤として用い、オ-トクレ-ブ中、水熱合成によりチタン含有ゼオライトを合成する。合成したゼオライトはXRDにより同定し、ゼオライト構造を有することを確認し、IRによりTi=0構造を有することを確認した。これらのゼオライトを触媒とし過酸化水素を酸化剤として、オレフィン、パラフィンの酸化を行ったところ、活性はTi=0活性点の数とよい相関を示した。オレフィン、パラフィンの形状、炭素数の影響について検討し、細孔径と分子径により基質の吸着量が変化することで説明できることを見いだした。一方市販のゼオライト(シリカライト、ZSMー5、モルデナイト、Y)の水溶液中酸性条件下での反応、または塩化チタンを用いた高温気相反応により、チタンを導入したが、形状選択性が出現しなかったことから、チタンは外表面に存在しているものと考えた。また、チタンあたりの活性が低いことは、Ti=0の構造がIRでほとんど見られないことと対応しているものと推察した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Tatsumi;M.Nakamura;K.Yuasa;H.Tominaga: "Shape selectintity as a function of pure size in epoxidation of alkenes with supported titaninm catalysts" Catalysis Letters. 10. 259-261 (1991)
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[Publications] 辰己 敬,中村 良,冨永 博夫: "チタノシリケ-ト触媒による選択的酸化反応特性とチタンの状態" 触媒. 33. 444-447 (1991)
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[Publications] T.Tatsumi;M、Nakamura;H.Tominaga: "Shape Selectwity in Epoxidation of Alhones over Titanosilicate and Supputed Titanium Catalysts" Catalytic Science and Technology. 1. 213-218 (1991)