1992 Fiscal Year Annual Research Report
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03453092
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
沢木 泰彦 名古屋大学, 工学部, 教授 (30023120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 勝也 名古屋大学, 工学部, 助手 (40202981)
木村 真 名古屋大学, 工学部, 助手 (30144124)
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Keywords | 活性酸素種 / 酸素化 / カルボニルオキシド / パースルオキシド / 一重項酸素 |
Research Abstract |
酸素酸化は、酸素でおおわれた地球上で最も基本的な化学変換であり、工業的にも学問的にも極めて重要である。酸素酸化による選択的分子変換のためには、有効な活性酸素種の設計が肝要である。本研究は、最も基本的で重要な活性酸素種X00(Xは種々の元素)の構造と反応性について実験的・理論的に解明し、活性酸素種の反応制御のための分子設計を目的とするものである。 カルボニルオキシドは、オレフィンのオゾン分解中間体であり、大気化学の面でも重要である。カルボニルオキシドには、シン型とアンチ型の異性体が存在することを実験的に証明した。トラッピング実験とレーザーフラッシュ分光法により実証したものである。 パースルホキシド類は、スルフィドと一重項酸素の反応により生成する。トラッピング実験、トレーサー実験、分子軌道計算により、双極性型のパースルホキシドと環状のチアジオキシランの両者が介在することを示した。後者の環状パーオキシドはすみやかにスルホンに異性化するものと結論した。他方、パースルホキシドは求核的酸素移動を行い、カルボニルオキシドの反応性に近い。トラッピング実験により、パースルホキシドからチアジオキシランへの異性化は起きないことが判明した。 三価のリン化合物と一重項酸素から発生するホスフィンパーオキシドについて、トラッピンング実験により検討した。求電子的酸素移動を行う中間体が発生していることが判明した。分子軌道計算により、双極性構造体は安定構造を示さず、環状のホスファジオキシラン構造のみが安定であることが示された。実験結果を支持するものである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Watanabe,N.Kuriki,K.Ishiguro,Y.Sawaki: "Persulfoxide and Thiadioxirane Intermediates in the Reaction of Sulfides and Singlet Oxygen" J.Am.Chem.Soc.113. 2677-2682 (1991)
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[Publications] K.Ishiguro,M.Ikeda,Y.Sawaki: "Transformation of Electronic Structure of Diaryldiazomethane Radical Cations as Studied by Cyclic Volammetry" Chemistry Lett.511-514 (1991)
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[Publications] Y.Sugihara,Y.Watanabe,H.Kumura,T.Nakamura,S.Suyama,Y.Sawaki: "Radical Intermediates in the Thermal Decomposition of 1,1-Bis(t-bytyldioxy)cyclohexane" Bull.Chem.Soc.Jan.65. 664-667 (1992)
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[Publications] K.Ishiguro,M.Ikeda Y.Sawaki: "Formation of σ-Radical Cation Intermediates on the C-C Coupling Reaction of Phenyldiazomethanes by One-Electron Oxidation" J.Org.Chem.57. 3057-3066 (1992)