1991 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識能を有するポルフィリン金属錯体の合成と機能に関する研究
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03453101
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
生越 久靖 京都大学, 工学部, 教授 (90026188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 高史 京都大学, 工学部, 助手 (20222226)
黒田 裕久 京都大学, 工学部, 助教授 (00111930)
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Keywords | 分子認識 / ポルフィリン / 核酸塩基 / ユビキノン / 不斉認識 |
Research Abstract |
本年度は分子認識能を有するポルフィリン化合物の合成を主に進めており、以下に示すいくつかの新しい機能性ポルフィリンの合成を行った。 1.核酸塩基と相互作用を生ずるジカチオン性ポルフィリン亜鉛錯体(メゾポルフィリン誘導体)の合成を行ない、水中の核酸塩基を有する有機層に効率よく輸送することを見いだし、特にアデニンを選択的に捕捉することを明らかにした。 2.4つの極性基をポルフィリンの面に対してconvergentに配向させたホスト分子(テトラー(2ーヒドロキシナフチル)ポルフィリンを合成し、ベンゾキノンの中で特に生体内の呼吸系に存在するメトキシ基を有するユビキノン誘導体を特異的に捕捉することに成功し、さらに光励起ポルフィリンからキノンへの分子認識を介した効率の良い分子間電子移動反応を生じることが判明した。 3.C_2対称性を有する新しい光学活性ポルフィリンの簡便な合成ル-トを確立し、それぞれの異性体を光学活性カラムで分離することが可能とな利、アミノ酸等の不斉認識能を有するポルフィリン金属錯体を得た。 4.酵素モデルとして重要な精密な分子認識部位を備えたポルフィリン化合物を得るために、3点以上の相互作用部位を有する非対称ポルフィリンの簡便な新しい合成ル-トを確立した。 5.生体系の金属酵素を範としたモデル錯体の合成とそれを利用した新しい触媒開発の一環としてアルドラ-ゼのモデル化合物を検討し、ポルフィリン金属錯体を用いた中性条件下での温和な接触的アルド-ル縮合反応を見いだした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hisanobu Ogoshi: "New Mode of Porphyrin Complexation with Nuclesbase" J.Am.Chem.Soc.113. 8181-8183 (1991)
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[Publications] Tadashi Ewa: "Slective Syntheses of Unsymmetric MesoーSryeporphyrins" Tetrahedron Letters. 32. 4529-4533 (1991)
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[Publications] Yasuhisa Kuroda: "New Chirol PorphyrinsーSyntheses and Molecular Recoguition" J.Am.Chem.Soc.