1992 Fiscal Year Annual Research Report
新しいシリコンーシリコン結合形成手段としての電極反応によるポリシランの合成
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03453104
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石川 満夫 広島大学, 工学部, 教授 (20025985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
九内 淳尭 広島大学, 工学部, 助教授 (90029190)
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Keywords | ヒドロシランのクロル化 / 塩化銅・ヨウ化銅試薬 / クロロシランの電解還元 / ポリシラン合成 / ジシラニレンポリマー |
Research Abstract |
前年度は各種クロロシラン類をジメトキシエタン中、銀または銅を陽極、過塩素酸テトラブチルアンモニウムを支持塩として用いて電解還元し、Si_2-Si_5のポリシランオリゴマーを選択的に高収率で得ることに成功している。本年度はポリシラン合成の一環として、ヒドロシラン類のクロロシランへの選択的変換についてまず検討した。クロル化反応は、エーテル中室温で、触媒量のヨウ化銅(I)存在下に2等量の塩化銅(II)と反応させることにより達成できた。例えば、フェニルシランを2等量の銅試薬と反応させると、水素1原子のみが選択的にクロル置換された生成物であるクロロフェニルシランを70%の単離収率で得ることができた。本条件下ではジクロル体の生成は2%以下である。一方、4等量の銅試薬との反応ではジクロロフェニルシランを66%の収率で得ることができた。また、本反応系はジヒドロジシラン類の選択的クロル化にも適用できた。このように、従来困難であったポリヒドロシラン類の選択的クロル化が、温和な条件下で選択的に行える反応系を開発できた。 また、ジシラニレン系ポリマーの電解合成も行った。1,2-ビス(クロロメチルフェニルシリル)エタンを1,2-ジメトキシエタン中で銅を陽極、白金を陰極、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートを支持塩として用いて電解還元し、主鎖にシロキシ結合を全く含まない分子量120,000のポリジシラニレンエチレンを17%の収率で得ることができた。得られたポリマーの全スペクトルはWurts反応で合成したポリマーのものと良く一致していた。本電解系はジシラニレン系ポリマーの一般的な合成法としても有用であり、例えば、1,2-ビス(クロロメチルトリルシリル)エタンからは分子量25,000のポリマーを、またp-ビス(クロロメチルフェニルシリル)ベンゼンからは分子量6,100のポリマーを各々45%および19%の収率で得ることができた。
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[Publications] Atsutaka KUNAI: "Electrochemistry of Organosilicon Compounds.3.Synthesis of Poly(disilanylene)ethylenes by Electrolysis of Bis(chlorosilyl)ethanes" Organometallics. 11. 2899-2903 (1992)
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[Publications] Atsutaka KUNAI: "Highly Selective Synthesis of Chlorosilanes from Hydrosilanes" Organometallics. 11. 2708-2711 (1992)