1991 Fiscal Year Annual Research Report
電場ゲ-ト型PHBと高分子ー色素複合薄膜系での低温光誘起電荷分離過程
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03453107
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀江 一之 東京大学, 工学部, 教授 (10013690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 俊 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70210416)
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Keywords | PHB / 光化学ホ-ルバ-ニング / 電場ゲ-ト型PHB / 高分子半導体 / 光誘起電荷分離 / ポルフィリン |
Research Abstract |
PHB(光化学ホ-ルバ-ニング)において、読み出し光によるホ-ルの破壊を起こさせないためには、光、または電場によるゲ-トをかけることが必要であるが、本研究は、研究代表者らの従来の高温PHBに関する研究および光ゲ-ト型PHBに関する研究をふまえて、世界で初めて電場ゲ-ト型PHB系の実現を目指し、PHB色素ー高分子半導体からなる複合薄膜をキャスト法や電解重合法で合成し、極低温クライオスタット中、電場印加下でのレ-ザ光照射により、PHB色素のイオン化と放出された電子の高分子中を移動しての電極への捕捉を実現し、低温固相系での光誘起電荷分離過程に対する電場印加効果を明らかにすることを目的としている。まず、電場ゲ-ト型のPHBを測定するために、現有の極低温クライオスタットを改造し、30kV/cmまで印加できる電場印加装置を作り、それを組み込んで実験を行えるようにした。また、設備備品費で購入した瞬間マルチ測光システムは、現有のパルス窒素レ-ザ励起過渡測定装置に組み合わせて、PHB色素のTーT吸収スペクトルが測定できるようにした。亜鉛テトラベンゾポルフィン(ZnTBP)とポリフェニルシランよりなる高分子ー色素複合薄膜系を合成し、その電場ゲ-ト下での室温での光照射、および20KでのPHB測定を行った。電場印加下で、室温では光反応を起こすが、PHB条件では、現在までのところ、電場印加によるホ-ル形成の促進は見られていない。今後マトリックスの分子構造を変化させ、透明半導体膜試料を作成して、電場ゲ-ト下でのPHB系の実現をはかる予定である。一方、ZnTBPの光ゲ-ト型PHBでは、グルシジルアジドポリマ-および、アシルオキシイミノポリマ-をマトリックスとして、エネルギ-移動によってゲ-ト比がそれぞれ500または60以上の新しい高効率ゲ-ト型PHB型を見い出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Akira Furusawa,Kazuyuki Horie,Itaru Mita: "LowーTemperature Properties of a Polysilane Studied by Photochemical Hole Burning" Journal of Molecular Electronics. 7. 69-74 (1991)
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[Publications] Akira Furusawa,Kazuo Kuroki Kazuyuki Horie,Itaru Mita: "Photochemical hole burning of tetraphenylporphin in an aromatic polyimide" Polymer. 32. 2167-2172 (1991)
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[Publications] 堀江 一之: "光情報機能材料ーPHB研究の新展開" 繊維学会誌. 47. 364-370 (1991)
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[Publications] Shinjiro Machida,Kazuyuki Horie,Takashi Yamashita: "Photonーgated photochemical hole burning by twoーcolor sensitization of a photoreactive polymer via tripletーtriplet energy transfer" Applied Physics Letters. 60. 286-288 (1992)
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[Publications] 堀江 一之: "光機能分子の科学ー分子フォトニクスー" 講談社サイエンティフィク, 230 (1992)