1991 Fiscal Year Annual Research Report
サ-モトロピック高分子液晶の高次構造の重水素NMRによる研究
Project/Area Number |
03453108
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安部 明廣 東京工業大学, 工学部, 教授 (50114848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹沼 裕二 東京工業大学, 工学部, 助手 (30205877)
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Keywords | 主鎖型高分子液晶 / 共重合体 / 重水素NMR / 配向秩序度 / コンホメ-ション |
Research Abstract |
從来当研究室においては、液晶などの異方性の高いポテンシャル場における鎖状分子のコンホメ-ションについて,重水素NMRとシミュレ-ションによルコンホメ-ション解析の方法を検討してきた。しかしこの方法を高分子液晶に適用する際には、相転移温度の関係で高温用の ^2HーNMRプロ-ブが必要になる。本年度の科研費補助金により高温用(〜300℃)プロ-ブが購入できたので、等方相一異方相間の転移温度を200℃前後に有し、從来のプロ-ブでは測定が困難であった下記構造の一群の高分子液晶ーすなわち、オキシアルカン鎖をスペ-サ-とし、そのメチレン基数の偶奇が交互に異なって現われる交互共重合型の主鎖型高分子液晶ーを取り上げ液晶相中でのスペ-サ-部のコンホメ-ション[φーOC(O)ーφーO(CD_2)_nOーφーC(O)OーφーO(CH_2)_nO]_x(n=9,10)を解析した。從来法に從い,局所的なZ軸を設定してシミュレ-ションを行なった結果、共重合体中のメチレン基数が偶数のスペ-サ-部分では許されるコンホマ-が増え、また奇数の部分ではCーO結合の回転によって、メソゲン及びZ軸の偶数部と奇数部の配向が調整されていると推定した。このような共重合体型の高分子液晶では、メソゲンの配向は両隣のスペ-サ-部の挙動に起因するコンフィギュレ-ション的な要請も受けており、鎖状分子の協同性という点から見て、かなり複雑な系であることが判明した。 本年度は、 ^2HーNMR解析手法の高精度化に関する研究も行ない論文として発表した。この成果は、上述の高分子液晶共重合体のコンホメ-ション解析方法に支持を与えるものであった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 猪股 克弘: "ポリオキシアルカン鎖の等方および異方相における配位特性とゴ-シュ酸素効果." 東京工業大学学位(博士)論文. 第5章. (1991)
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[Publications] 安部 明廣: "Phase Behavior and Molecular Ordering of Rigid and Semiflexible Polymers in the Lyotropic LiquidーCrystalline State." Rep.Prog.Polym.Phys.Japan. 34. 105-108 (1991)
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[Publications] 木村 悟隆: "An Intepretation of NMR Date of 4ーEthoxyー4'ーcyanobiphenyl in the Nematic StateーInternal Rotation around the OーCH_2 Bond." Polymer Bull.
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[Publications] 安部 明廣: "Conformation of 4ーEthoxyー4'ーcyanobiphenyl in the Isotropic and Anisotropic Liquidーcrystalline StateーA Rotational Isomeric State Simulation of ^2HーNMR Spectra." Makromol.Chem.Theory.Simul.