1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03453125
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅 健一 大阪大学, 工学部, 教授 (20029250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 浩 大阪大学, 工学部, 助手 (00226250)
塩谷 捨明 大阪大学, 工学部, 助教授 (50026259)
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Keywords | 生分解性ポリマ- / ポリヒドロキシ酪酸 / 残存生物量 / 高分子重合度 / GPC |
Research Abstract |
近年,合成プラスチックとは異なり,時間がたてば自然に分解する生分解性ポリマ-が環境を破壊しないポリマ-として注目されている。ポリヒドロキシ酪酸(PHB)は微生物の生産する生分解性ポリマ-のひとつである。本研究では,水素細菌Alcaligenesーevtrophusを用い,生分解性ポリマ-の生産量,品質を向上させる培養法の確立を目指すものである。本年度は,以下のような結果を得ている。 1)酪酸を単一炭素源として使用した場合に酪酸濃度が高濃度になると ^-PHB生産速度が低下し,生産に対する阻害効果が認められた。従ってPHBの生産速度を上げるためには酪酸濃度を低く保つことのできる流加培養法が有効であることがわかった。2)窒素源に硫酸アンモニウムを用いた場合,培地中濃度が0.1g/l以上になると酪酸が存在したとしてもPHBはほとんど生産されない。3)窒素源をまったく含まない培地で培養すると菌体内PHB含量は24h程度で60%まで上昇するが,その後菌体が死滅し始めた。4)ごく少量の窒素源を含んだ培地で培養を行うと32hを越えてもPHB生産が持続し,菌体内含量は70%以上となった。5)PHB生産期においては菌体総乾燥重量からPHB量を差し引いた残存生物量はほぼ一定の値となり,菌体増殖はほとんど認められなかった。 以上の結果より,PHBの効率的生産法としては,炭素源として酪酸,わずかの窒素源として硫酸アンモニウムを含む流加培地を一定に流加する方法が考えられ,実験によりその有効性が確認された。 現在,高分子の品質を決定する高分子重合度が,炭素源,窒素源の濃度にどのような影響を受けるかについて検討している。高分子の重合度はゲルパ-ミエ-ションクロマトグラフィ(GPC)により測定が可能であり,本研究で対象としているPHBもGPCを用いて重合度の変化が解析できることが確認された。
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[Publications] H.Shimizu,S.Sonoo,S.Shioya,K.Suga: "Production of Polyー3ーhydroxybutyric Acid(PHB) by Alcaligenes leutrophus H16 in a Fedーbatch Culture" Proceeding of AsiaーPacific Biochemical Engineering Conference 1992,Yokohama. (1992)