1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03453125
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅 健一 大阪大学, 工学部, 教授 (20029250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大政 健史 大阪大学, 工学部, 助手
清水 浩 大阪大学, 工学部, 助手 (00226250)
塩谷 捨明 大阪大学, 工学部, 助教授 (50026259)
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Keywords | 生分解性ポリマー / PHB / P(HB-HV)共重合物 / 分子量分布 / 共重合分率 / NMR / 一次マルコフ鎖過程 |
Research Abstract |
Alcaligenes eatrophusによる生分解性高分子の生産性,分子量分布,共重合分率について検討した。炭素源については,検討したものの中で酪酸がホモポリマーPHB生産にとって最適であった。酪酸を徐々に加える一定流加法を用いてPHB生産特性を検討したところ,酪酸濃度を2〜3g/l一定に保ったとき生産速度は最大となった。また,培地pHについても検討したところ,PH=8で最大となった。最大のPHB比生産速度は0.169g-PHB/g-r.b./h,最大収率は78%,菌体内含量は,75%であった。 酪酸を2〜3g/l,PH=8.0と高い状態に保った培養において,PHB分子量を測定したところ,分子量は数平均分子量で3.61×10_5,重量平均分子量で2.03×10_6であった。ポリデイスパーシティは5.6となった。平均分子量は,酪酸濃度を低くするにつれ高くなる傾向にあった。そのため,所与の平均分子量のためには,酪酸濃度を変化させることが有効であることが示唆された。(酪酸濃度を0.3g/l〜10g/lに変化させると重量平均分子量は3倍程度変化した。) 培地中の炭素源を吉草酸単一,あるいは吉草酸と酪酸の混合物にするとP(HP-HV)共重合物が生成することが確認された。^1H-NMRと^<13>C-NMRを用いることにより,ダイアドまたはトライアド,共重合分率を解析した。HV分率は最高35%となった。ダイアド,トライアドの分率より,共重合メカニズムを一次マルコフ鎖過程として解析したところ,この共重合物はランダム共重合であることが確認された。共重合分率の制御,ランダム性に変化を与えられるかについてが次年度の課題である。
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[Publications] H.Shimizu,S.Sonoo,S.Shioya,K.Suga: "Production of poly-3-hydroxy butyric acid(PHB) by Alcaligenes eutrophus H16 in a fed-batch culture." Proc.of Asia-Pacific Biochemical Engineering Conference 1992,Yokohama. 195-197 (1992)