1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03453128
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松永 是 東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 徳幸 東京農工大学, 工学部, 助手 (20198229)
早出 広司 東京農工大学, 工学部, 講師 (10187883)
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Keywords | 磁性細菌 / トランスポゾン変異株 / 接合伝達 / 磁性細菌粒子 / 鉄還元 |
Research Abstract |
本年度は、磁性細菌の遺伝子導入法及び宿主ベクタ-系の開発を試み、すでに得られているトランスポゾンミュ-タントのキャラクタリゼ-ションを行うことを目的とした。まず、遺伝子導入法として接合伝達に着目し、磁性細菌の菌体内で複製可能なベクタ-プラスミドの検索と接合伝達における条件、効率についての検討を行った。供与菌体として、染色体内に自己伝達遺伝子(PR4tra)を有するEscherichia coli S17ー1を用い、磁性細菌AMBー1に接合伝達を行った。ベクタ-はグラム陰性菌の広域宿主であり、被伝達能(mob)を有するベクタ-であるpKT230、pRK415を用いた。その結果、接合時間6時間でpT230においては3.0x10^<-3>、pRK415では4.5x10^<-2>(接合伝達体数/受容菌体数)の効率で接合伝達体が得られた。また、pKT230、pRK415の接合伝達体はともに液体培地で継代培養が可能であり、それぞれのレプリコンは正常に機能していることがわかった。さらに、サザンハイブリダイゼ-ションにより磁性細菌の菌体内で複製しているプラスミドの解析を行ったところ、顕著な修飾は観察されなかった。 さらに、接合伝達により得られた5株のトラスポゾンTn5ミュ-タント(NM1、NM2、NM3、NM5、NM7)のキャラクタリゼ-ションを行った結果、カナマイシン耐性の5株の磁気微粒子生成能欠損ミュ-タントは、ミュ-タントの5株すべてに炭素源資化能、鉄取り込み能において顕著な変化は観察されなかった。また、現在考えられている磁性細菌の磁気微粒子生成に関する機能の一つに鉄還元があげられるが、ミュ-タントの菌体破砕物中の可溶性タンパクの鉄還元活性を測定したところ、NM3の鉄還元活性は野生株の鉄還元能の20%程度であることがわかった。現在、プラスミドpUC19を用いてTn5を含むクロモソ-ム断片のクロ-ニングし、NM3の遺伝子のシ-クエンスを行っている。
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[Publications] Tadashi Matsunaga: "Applications of Bacterial Magnets" Trends in Biotechnology. 9. 91-95 (1991)
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[Publications] 竹山 春子: "DNAキャリア-用磁性細菌粒子の調製" 高分子論文集. 48. 319-325 (1991)
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[Publications] Tadashi Matsunaga: "Magnetite Formation by a Magnetic Bacterium Capable of Growing Aerobically" Applied Microbiology and Biotechnology. 35. 651-655 (1991)
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[Publications] Tadashi Matsunaga: "Magnetites in Magnttactic Bacterium and their Application" Automedica. (1992)
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[Publications] Tadashi Matsunaga: "Gene Transfer in Magnetic Bacteria" Journal of Bacteriology. (1992)
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[Publications] Tadashi Matsunaga: "Mechanisms and Phylogeny of Mineralization in Biological Systems" SpringerーVerlag, 517 (1991)