1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03453131
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 聰 東京大学, 農学部, 教授 (20032295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 聡 東京大学, 農学部, 助手 (40220884)
妹尾 啓史 東京大学, 農学部, 助手 (40206652)
金沢 晋二郎 東京大学, 農学部, 助手 (10011967)
小柳津 広志 東京大学, 農学部, 助教授 (70177301)
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Keywords | 微小孔隙 / 生残部位 / マイクロハビタット / 多孔質ガラス / 担体 / 微生物生態 / 多孔質素材 / バイオリアクター |
Research Abstract |
本年度は微生物の安定な生存部位を確保するためのマイクロハビタットの創作を行うために,炭素材,石膏資材,セラミックス,多孔質ガラスなど微小孔隙を有する市販ならびに天然資材を用いて実験を行った。微生物が微小孔隙に入り込み,原生動物などより大きな生物による捕食が行なわれないようにするには,用いる材料の孔隙径の分布特徴を調べる必要があった。電子顕微鏡による観察を主体としてまず孔隙の形態的特徴を明らかにし,ついで窒素ガス充填計測法によって孔隙径分布を調べた。炭素材については,用いる材料で大きく異なり,スギ,マツ,ヒノキなどの針葉樹炭はナラ,クヌギ,ドングリなどの広葉樹炭より孔隙径分布は広範囲に及ぶ傾向にあった。石膏資材として用いたセメント副産物であるTBX,オートクレーブ処理軽量コンクリートであるALCは1〜10μ(ミクロン)の微小径孔隙は少なく,100μ以上の孔隙が多かった。セラミックスは酸化アルミナおよび焼結ケイ藻土を用いたが,酸化アルミナ主体のセラミックは微小孔隙,粗大孔隙ともに少なく,マイクロハビタットとして用いることに問題があった。一方,焼結ケイ藻土は100μ以上の粗大孔隙も存在するが,孔隙径分布のヒストグラムをとると10〜20μの部分の頻度が高く,マイクロハビタットとしての利用に期待が持てた。多孔質ガラス(MPG)は1〜5μの部分にシャープな頻度分布が認められ,この付近の大きさの微生物の担体として優れた素材であると考えられた。MPGおよび焼結ケイ藻土を用い,それに麦芽エキスを基質として、これらの資材に減圧下浸潤させ,その後E.Coliを接種して培養し,微小孔隙からのE.Coliの洗脱を検討した。その結果,MPGを用いた場合には,孔隙の深部まで微生物が侵入でき,安定な生残部位を獲得し得ることが示唆れた。しかし,供試の素材全般について,微小部位に定着できる個体は多くはないことが判明した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Nishiyama,M.,Senoo,K.Wada.H.and Matsumoto,S.: "Identification of soil micro-habitats for growth,death and survival of a bacterium,-1,2,3,4,5,6-hexachlorocyclohexane assimilating Sphingomonas paucimobilis,by fractionation of soil" FEMS Microbiology Ecology. 101. 145-150 (1992)