1991 Fiscal Year Annual Research Report
トレ-サとして用いられるアイソト-プ標識化合物の分解過程の解析とその制御
Project/Area Number |
03453144
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
栗原 紀夫 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 教授 (00026428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆久 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 教務職員 (50152715)
齋藤 和實 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助手 (40027602)
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Keywords | Sー35メチオニンの自己放射線分解 / メチオニンのγ線による分解 / HPLCによるSー35メチオニン分解生成物の分析 / GC / MSによるメチオニン分解物の分析 / Sー35標識メチルアルキルスルフィドの生成 / Sー35メチオニンからメチルアルキルスルフィドの生成 |
Research Abstract |
(1)〔 ^<35>S〕メチオニンの自己放射線分解を調べる前にモデル反応として非標識メチオニンに ^<60>Coのγ線を照射して分解生成して来る揮発性物質をGC/MSにて分析し、ジメチルジスルフィドを同定した。 (2)〔 ^<35>S〕メチオニンの水溶液をー80°Cに保存し、一定時期ごとに解凍してへッドスペ-スを抜き取りこれを直ちにHPLCにて分析し、次の化合物の存在を確認した。 (1)メチルメルカプタン、(2)メチルエチルスルフィド、(3)メチルプロピルスルフィド、その他。 (3)上記の分解生成物の構造から、メチオニンは^<35>Sのβ線により、おもに炭素炭素結合、炭素硫黄結合が切断する反応により分解していくこと、アミノ基が除去される反応もあることが判明した。 (4)自己放射線分解物の時間的な消長から考えて、メチオニンの放射線分解で直接生成する化合物とさらにそれらが分解して生ずる2次分解生成物が存在すると推定される。 (5)外部から照射したγ線による分解生成物と ^<35>Sのβ線による分解生成物が異なっていることから、放射線そのものの性質の差異のみならずサンプルの物理的状態に依存している可能性も考えられる。
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