1992 Fiscal Year Annual Research Report
食物繊維摂取内容の極端な偏りが健康に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
03453149
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
西宗 高弘 大阪府立公衆衛生研究所, 食品化学課, 課長 (60034930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住本 建夫 大阪府立公衆衛生研究所, 食品化学課, 主任研究員 (80231380)
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Keywords | 食物繊維 / 可溶性食物繊維 / 不溶性食物繊維 / 摂取量 / 大腸癌 |
Research Abstract |
可溶性食物繊維(以下SDF)と不溶性食物繊維(以下IDF)の食品中含量が最近日本食品標準成分表四訂のフォローアップ版で公表されたにもかかわらず、両DFの健康影響については必ずしも充分確立しているとは言えず、現在までに1.SDF、IDFに各特有の生理作用が順次明らかになってきている。2.米国の医学会、糖尿病学会、政府機関などの公的文書でも両DFの区別と特有の生理作用の指摘が行われている。3.米国FDAへの研究者団体(FASEB)からの答申ではSDF:IDFの摂取比は自然食で1:3が目安として示されている。4.同答申で、人の場合の影響はいまだ結論出来ないとしながらも、動物実験においてSDFの摂取比の極端な増加は結腸癌の発生率を増大させることが指適されている。一方わが国では一部健康飲料や経腸輸液等にSDFが添加されており、著しい偏りのある摂取の可能性がある。そこで本研究では日本人のSDFとIDFの摂取比率の実態を明らかにし、人にSDFとIDFの比率の偏った摂取を負荷した場合の、遊離胆汁酸排泄量を検討しようとした。本年度は日常食からの両DFの摂取量比を知るためには四訂フォローアップ版の含量表のみでは不充分であるので(日本人の食事に特徴的な海草類、大豆加工食品、練製品の一部等にSDFが比較的多量に含まれるが、値は全く示されていない)、新たにフォローアップ版に含まれない34食品についてSDFとIDFの分別定量を実施した。この結果、および一部文献報告を併せて日本人の日常食からの両DFの摂取量比を評価するための繊維量表を作成した。同時にヒトにSDFおよびIDFを投与し、糞便中の発ガンプロモーター関連物質(遊離コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、リトコール酸等)および排泄繊維成分を定量するための準備として、小麦襖あるいはグアー豆抽出SDFを投与する方法を検討、決定した。更に糞便のサンプリング方法、胆汁酸類及び排泄繊維成分の定量法を決定した。
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[Publications] Nishimune,T.,Sumimoto,T.,Yakushiji,T.,et al.: "Determination of Total Dietary Fiber in Japanese Foods." J.Assoc.Off.Anal.Chem.74. 350-359 (1991)
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[Publications] Nishimune,T.,Yakushiji,T.,Sumimoto,T.,et al.: "Glycemic Response and Fiber Content of Some Foods" Am.J.Clin.Nutr.54. 414-419 (1991)
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[Publications] Nishimune,T.,Sumimoto,T.,Yakushiji,T.,et al.: "Dietary Fiber Intake of Japanese Younger Generations and the Recommended Daily Allowance" J.Nutr.Sci.Vitaminol.39. (1993)
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[Publications] 住本 建夫、西宗 高弘: "マーケットバスケット方式による不溶性および可溶性食物繊維の摂取量について" 大阪府立公衛研所報(食品衛生編). 23. 17-19 (1992)