1992 Fiscal Year Annual Research Report
鎮痛効果を有する伝承薬を対象とした向神経医薬品素材開発に関する基礎的研究
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03453153
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山崎 幹夫 千葉大学, 薬学部, 教授 (70089598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 恵美 千葉大学, 薬学部, 助手 (50204152)
藤本 治宏 千葉大学, 薬学部, 助教授 (50089603)
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Keywords | 向神経医薬品素材 / 鎮静効果 / 伝承薬 / 和漢薬 / ボルネオ生薬 / ペルー生薬 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、和漢生薬をはじめ、インドネシア、マレーシア、ペルー等で鎮静を目的に使用されてきた伝承薬を中心に素材を収集、抽出エキスの作成を行ない、また、マウスを用いた一般行動観察、自発運動抑制作用(抗メタンフェタミン作用を含む)、催眠延長作用、正常体温降下作用、酢酸ライジング抑制作用、コンフリクト軽減効果等の薬理活性検索を行った。和漢薬では、前年度で明かとなった唐羌活Notoptcry gium incisumの鎮痛活性成分であるnotopterolについてさらに薬理活性の検討を行ない、notopterolでみられた強いペントバルビタール催眠延長作用が肝臓の代謝酵素阻害に由来することを見出だし、和羌活・和独活の鎮静・鎮痛活性成分であるcut-pimara-8(14),15-dicn-19-oic acid(PA)とent-kaur-16-en-19-oic acid(KA)の中枢抑制作用との違いを明らかにした。催眠延長作用等が観察されなかった唐独活活性成分ostholも含めて、鎮静活性等の中枢作用におけるそれぞれの薬理活性の違いを明確にした。マレーシア・ボルネオ生薬のLontupak(Tabcrnacmontana paucifloraおよびT.pandacaqui)活性成分としてcoronaridinc、voacangine等のインドールアルカロイドを単離同定した。これらの化合物は有為な体温下降作用や酢酸ライジング抑制作用等を示したが、運動量の抑制は認められなかった。また、局所麻酔作用も有することを見だした。ペルー生薬 paico(Chenopodium ambrosioidcs)の活性本体として単離されたascaridolは体温下降作用、煙酸ライジング抑制作用の他にメタンフェタミン誘発自発運動抑制作用や催眠延長作用が観察され、有効容量の範囲は狭いと思われたが、鎮静・鎮痛活性の可能性を明らかにした。そのほか、活性の見出だされている生薬に関しては活性成分の単離、化学構造の決定、鎮静作用をはじめとする薬理活性の検討を続行中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Emi okuyama,Kazuhiro Umeyama,Yukie Saito and Mikio Yamazaki: "Ascaridol as a Pharmacologically Active Principle of“Paico,"a Medicinal Peruvian Plant" Chem.Pharm.Bull.41. (1993)
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[Publications] Emi Okuyama,Satoshi Nishimura,Shigeru Ohmori,Yukihiro Ozaki,Motoyoshi Satake and Mikio Yamazaki: "Analgesic component of Notopterigium incisum Ting" Chem,Pharm.Bull.41. (1993)
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[Publications] Emi Okayama,Li-Hong Gao and Mikio Yamazaki: "Analgesic Components from Bornean Medicinal Plants,Tabernaemontana pauciflora Blume and Tabernaemontana pandacaqui Poir" Chem.Pharm.Bull.40. 2075-2079 (1992)
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[Publications] Emi Okuyama,Li-Hong Gao,Satoshi Nisimura and Mikio Yamazaki: "Some Traditional Medicines and Their Analgesic Principles" J.Pharmacobio-Dyn.15. S-11- (1992)