1993 Fiscal Year Annual Research Report
鎮痛効果を有する伝承薬を対象とした向神経医薬品素材開発に関する基礎的研究
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03453153
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山崎 幹夫 千葉大学, 薬学部, 教授 (70089598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 恵美 千葉大学, 薬学部, 助手 (50204152)
藤本 治宏 千葉大学, 薬学部, 助教授 (50089603)
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Keywords | 向神経医薬品素材 / 鎮静効果 / 伝承薬 / 向神経活性 / 和漢薬 / 東南アジアの生薬 / ペルー生薬 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、鎮静等を目的に使用されてきた伝承薬を中心に実験動物に対する薬理活性検索を行った。ボルネオ生薬RUMPT FATIMAHエキスにメタンフェタミン誘発運動亢進の増加作用が観察され、また、鎮痛作用も見出された。連続投与による活性評価としてマウス絶望状態モデルや前年度で導入された受動回避実験装置により検討を行い、有意な活性は見出せなかったがストレス付加の条件等に関する基礎的データを得ることができた。精神安定剤として使われるペルー生薬HUANARPOエキスに平成3年度に導入されたコンフリクト事態実験装置による有意な活性が見出されたことは本生薬の抗不安作用を示唆するものである。ぺルー生薬HUIRA-HUIRAの鎮静活性成分をマウスに対するペントバルビタール催眠延長作用を指標として分画し、cacalohastine、dehydrocacalohastine、cacalonolを単離同定した。これらの化合物はペントバルビタール催眠をそれぞれ10、30、50mg/kg経口投与で有意に延長した。本作用は薬物代謝酵素の阻害による可能性もあるため、マウス肝P-450に対する作用を調べたが阻害活性は認められなかったことから、これらの化合物は中枢神経系に作用を及ぼしていると考えられる。ペルー生薬CEDRONの鎮静・鎮痛活性本体として見出されたacteosideの活性構造について関連化合物を検討した結果、活性にはaglycone部と糖部の結合した全体の構造が必要であり、静脈内投与に比較し経口投与で極端な活性の低下が認められるのは、この活性構造を維持したまま吸収されにくいことによる可能性が明らかにされた。 以上、鎮静効果を期待される伝承薬の薬理活性を明らかにするとともに、興味ある薬理活性化合物を単離、その化学構造を決定し、また一部に関しては活性構造にも言及し、向神経医薬品素材開発の基礎的データを得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] E.Okuyama: "Convulsants from Star Anise(111icium verum Hook.f.)" Chem.Pharm.Bull.41. 1670-1671 (1993)
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[Publications] E.Okuyama: "Ascaridole as a Pharmacologically Active Principle of “Paico",a Medicinal Peruvian Plant" Chem.Pharm.Bull.41. 1309-1311 (1993)
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[Publications] E.Okuyama: "Analgesic Component of Notopterigium incisum Ting" Chem.Pharm.Bull.41. 926-929 (1993)
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[Publications] H.Fujimoto: "Isolation and Characterization of Immunosuppressive Components of Three Mushrooms,Pisolith us tinctorius,Microporus flabellifornis and Lenzites betulina" Chem.Pharm.Bull.42. 694-697 (1994)
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[Publications] H.Fujimoto: "Identification of Immunosuppressive Components of a Mushroom.Lactarius flavidulus" Chem.Pharm.Bull.41. 654-658 (1993)
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[Publications] H.Fujimoto: "Structue of Fischerin,a New Toxic Metabolite from an Ascomycete,Ncosartorya fischeri var.fischeri" J.Nat.Prod.56. 1268-1275 (1993)