1992 Fiscal Year Annual Research Report
フリーデルクラフト反応におけるジカチオンおよびトリカチオンの関与
Project/Area Number |
03453154
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
首藤 紘一 東京大学, 薬学部, 教授 (50012612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 智彦 東京大学, 薬学部, 助手 (20177025)
遠藤 泰之 東京大学, 薬学部, 助教授 (80126002)
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Keywords | 反応機構 / ベンゼン / フリーデルクラフト反応 / ジカチオン / 求電子試薬 / ガッターマン反応 / 強酸 |
Research Abstract |
イミニウムベンゼニウムジカチオンの関与するビフェニルアミンの生成反応を基盤として、種々の構造のジカチオンおよびトリカチオンの関与する反応を発見した。 ケトン類とベンゼンとの反応は一般には進行しないと考えられている。しかし、ケトンにジプロトン化をおこさせるとフリーデルクラフト型の反応が容易に進行することを見いだした。モノプロトン化条件では反応は進まない。進度論的研究によってジカチオンの関与を証明した。 ガツターマンおよびガツターマンコッホ反応において、青酸または、是検ニトリルは強酸条件下でのみベンゼンと反応する。ここにおいても、モノプロトン化では反応は進まず、ジプロトン化によるジカチオンの関与が必要であることを示した。 ニトロ酢酸エステルは容易にジプロトン化するが、ベンゼンとは反応しない。しかし、更に酸度をあげてトリプロトン化を進めトリカチオンが生成している条件にすることによってはじめてベンゼンと反応する。トリカチオンの反応における関与を示したのはこれがはじめてである。 以上の反応はメカニズムの研究に新しい考えを導入するばかりでなくいずれも、収率のよい新合成法としてでも非常に有用ものである。 ここで示された理論はまた、新しいタイプの反応を想起させ、それらの長行を進めている。旧来からのビシラーナピラルスキー反応、スペカンプの反応、スクラウプ反応なども、ジカチオンが関与しているとみられ、速度論研究、生成物研究を進めている。
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[Publications] Y.Endo: "Auionic 3.4-diuja [3.3] sigmatropic rearrangements of N,N´-diacylhyclruzines" Tetruhedion Letters. 32. 4517-4520 (1992)
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[Publications] N.Haga: "Acid-catatyzes Amino-migration of O-phenylbydw xylamines" J.Am.Chem.Soc. 114. 9795-9806 (1992)
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[Publications] H.Haga: "Orbital distortion in dibcnzobicyclo [2.2.2] octatritnes" Chem.Pharm.Bull. 40. 3349-3351 (1992)
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[Publications] T.ohwada: "Orbital distortion arising from remote substituents" J.Am.Chem.Soc. 114. 8818-8827 (1992)