1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454001
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
沓掛 和弘 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (90143362)
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Keywords | 細菌鞭毛 / 細胞分裂 / アンチ・シグマ因子 / 蛋白質輸送 / 転写制御 / ヌクレオイド蛋白質 |
Research Abstract |
1.アンチ・シグマ因子の細胞内動態:アンチ・シグマ因子による鞭毛レギュロンの抑制が鞭毛数を決定するためには、鞭毛形態形成と共役してアンチ・シグマ因子の不活性化がおこらなければならない。それには鞭毛構造の完成をモニターする機構が必要である。その最も単純なモデルは、完成した鞭毛構造を通してアンチ・シグマ因子が細胞外に分泌されるというものである。この可能性を検証するために、RflB蛋白質の細胞内外の存在量をSDS-PAGE及びウェスタン・ブロッティング法で解析した。その結果、RflB蛋白質が鞭毛構造をとおして効率よく細胞内から細胞外へ輸送されていることが判明し、上の仮説の正当性が証明された。 2.鞭毛数が減少する突然変異体の単離:アンチ・シグマ因子遺伝子領域のDNAの塩基配列の解析の過程で、flgM遺伝子と同一のオぺロン内に新しい遺伝子が存在することが判明した。この遺伝子の欠失突然変異体では完全な鞭毛が形成されるものの、細胞あたりの鞭毛形成量が低下していることが判明した。これは既知の鞭毛遺伝子の欠失突然変異体にはない際だった特徴であり、鞭毛数決定機構に何らかの役割を果たしているものと推定される。 3.flhDCオペロンの転写制御の解析:鞭毛レギュロンの始動オペロンであるflhDCオペロンをサルモネラからクローン化した。これらの遺伝子の塩基配列を決定したところ、FlhDは116個、FlhCは191個のアミノ酸からなる蛋白質であると推定された。flhD遺伝子上流には典型的なcAMP-CRP結合配列が見いだされたが、この位置は大腸菌において従来から言われていたcAMP-CRP結合位置とはまったく異なっていた。一方、flhDCオぺロンはヌクレオイド蛋白質H-NSによって、正の転写調節を受けることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ohmishi,K.: "A novel transcriptional regulation mechanism in the flagellar regulon of Salmonella typhimurium;an antisigma factor inhibits the activity of the flagellumspecific sigma factor." Molecular Microbiology. 6. 3149-3157 (1992)
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[Publications] Ide,N.: "Search for promoter sequences chich can be activated by FliA,the flagellum-specific sigma factor in Escherichia coli." Jap.J.Genet.(Abstract). 67. (1992)
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[Publications] Iyoda,S.: "Anti-sigma factor binding domain of FliA,an alternative sigma factor specific for flagellar regulon of Salmonella typhimurium." Jap.J.Genet. (Abstract). 67. (1992)
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[Publications] Kutsukake,K.: "Activation of the flagellar regulon by a nucleoid protein,H-NS,in Salmonella typhimurium." Jap.J.Genet. (Abstract). 67. (1992)
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[Publications] Minamino,T.: "Sequence analysis of the flhBA operon of Salmonella typhimurium." Jap.J.Genet. (Abstract). 67. (1992)
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[Publications] Okada,T.: "Structure and function of the DNA region adjacent to the gene for anti-sigma factor in Salmonella typhimurium." Jap.J.Genet. (Abstract). 67. (1992)