1992 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的矮性トウモロコシ(D_8)に関する生化学的研究
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03454006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
酒井 愼吾 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (60033388)
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Keywords | トウモロコシ / 矮性トウモロコシ / ジベレリン / ジベレリン結合タンパク質 |
Research Abstract |
トウモロコシの正常株と矮性株(D_8)に含まれるジベレリン結合タンパク質の比較から、矮性株(D_8)は、ジベレリンに対して高い親和性を有する結合タンパク質を欠いた変異株であることが、昨年度までの研究で明らかになった。これらのジベリン結合タンパク質の中で、正常株には存在するが、矮性株(D_8)に存在しないタンパク質に着目し、その精製を試みた。 正常株のトウモロコシ芽生えから粗タンパク質画分を得て、これをジベレリンA_3を結合させたセファロース4Bアフィニティーカラムにかけ、緩衝液で十分洗浄後、IMNaclを含む緩衝液で溶出し、ジベレリン結合タンパク質画分を得た。この中に含まれているジベレリン結合タンパク質で、D_8にはないGBP-3に注目し、イオン交換クロマトグラフィー、セファクリルS-400ゲル濾過、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、このジベレリン結合タンパク質を精製した。 精製したGBP-3は、分子量が約280000で、分子量70000のサブユニットからなっていた。GBP-3へのGA_4の結合は、活性型のジベレリンであるGA_1、GA_3で強く阻害されたが、不活性型ジベレリンであるGA_<13>では阻害されなかった。さらにこの結合は可逆的、飽和的であった。 GBP-3のGA_4に対する解離定数は、5×10^<-7>Mであった。この高い結合能は、粗ジベレリン結合タンパク質を用いて測定した時にみられた、高い親和性の結合部位(1.3×10^<-7>M)とほぼ同じ数値であり、このGBP-3が矮性トウモロコシ(D_8)に欠損しているジベレリン・リセプターではないかと考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Sakai: "Reguratory functions of soluble suxin-binding proteins." International Review of Cytology. 135. 239-267 (1992)
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[Publications] S.Sakai and N.Kamei: "Purification of a soluble cytokinin-binding protein from etiolated mung bean seedlings." Biosci.Biotech.Biochem.56. 504-507 (1992)
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[Publications] S.Sakai,M.Kikuchi and N.Nakajima: "Interaction between ABP-1 and RNA polymerase II." Biosci.Biotech.Biochem.56. 1225-1229 (1992)
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[Publications] A.Oomiya,M.Kikuchi S.Sakai and T.Hayashi: "Purification and properties of an auxin-binding protein from shoot apex of peach tree." Plant Cell Physiol.
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[Publications] M.Nakajima,S.Sakai,K.Kanazawa,I.Yamaguchi,N.Takahashi,N.Murofushi: "Partial purification of a soluble gibberellin-binding protein from mung bean hypocotyls." Plant Cell Physiol.