1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454019
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大日方 昂 千葉大学, 理学部, 教授 (40012413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 洋志 千葉大学, 理学部, 助手 (00222662)
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Keywords | アクチン / 筋原線維 / 筋形成 / アクチン結合蛋白質 / コフィリン / 筋細胞 |
Research Abstract |
本研究は、筋収縮構造形成過程でのアクチン集合の制御の分子機構を明らかにすることを目的とし、幼若筋で働くアクチン結合蛋白質(プロフィリン、ADF、コフィリン)について、構造と機能特性を検討した。 1.ニワトリ胚骨格筋のプロフィリン様蛋白質(16K蛋白質)の解析 ニワトリ胚骨格筋cDNAライブラリ-より抗体を用いて16K蛋白質cDNAをクロ-ニング、構造を決定した。推定されるアミノ酸配列(Nー端側アミノ酸数残基は未決定)はヒト、ウシの非筋組織プロフィリンの構造と高い相同性がみられたこと、および既に知られた機能特性から、16K蛋白質はニワトリプロフィリンと断定された。なおタコノマクラ、アメ-バ、粘菌プロフィリンとは構造上の類似性は低かった。 2.筋成長過程でのADFの発現変化とADFホモロ-グの検索 ノ-ザ-ンブロット解析の結果、筋成長過程でADFの発現が減少するが、ニワトリ速筋(胸筋)ではADFと相同性の高い転写産物が大量に出現することがわかった。相当するcDNAを検索したところADF配列の一部を含むサイズの大きいRNAの存在が明らかになった。 3.骨格筋で発現されるコフィリンの構造と機能 ニワトリでは非筋、筋細胞を問わず分子量、等電点が等しい単一のコフィリンが検出された。一方、ラットでは等電点の異なる非筋型と骨格筋型コフィリンの存在が明らかになった。マウス骨格筋細胞株(C2)の筋芽細胞から筋管細胞への分化過程でコフィリンは非筋型から骨格筋型へアイソフォ-ム変換が起こることが認められた。コフィリンはDMSO処理を受けた細胞では核内移行する。一次構造上に見られる仮定の核局在化シグナル(PEEI/VKKRKKAV)を合成しそれに蛍光標識BSAを化学架橋、細胞内に注入すると核移行することから、この配列が核移行シグナルとして機能することが明らかにされた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Naruki Sato: "Radixin,a barbedーend capping actin modulating protein,is concectrated at the cleavage furrow during cytokinesis." J.Cell Biology. 113. 321-330 (1991)
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[Publications] Takashi Obinata: "Regulation of actin assembly in embryonic chicken skeletal muscle by three different actinーbinding proteins." Frotiers in Muscle Research(Elsevier Science Publishers). 235-247 (1991)
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[Publications] Yuko Tokuue: "Transfection of chicken skeletal muscle ーactinin cDNA into nonmuscle and myogenic cells:Dimerization is not essential for ーactinin to bind microfilaments." Experimental Cell Research. 197. 158-167 (1991)
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[Publications] Takashi Obinata: "Contractile protiens and myofibrillogenesis" International Review of Cytology. (1992)
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[Publications] Hiroshi Abe: "Modulation of actin filament structures by cofilin" J.Molecular Biology.
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[Publications] Hiroki Nakae: "Ascidian entactin:implication by shuffling two kinds of cysteineーrich repeats" J.Biological Chemistry.
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[Publications] 大日方 昂: "新筋肉病学 第5章5 筋タンパクの発現と筋原線維形成 (杉田、小沢、埜中編)" 南江堂, (1992)