1991 Fiscal Year Annual Research Report
中心体を構成するG蛋白質(微小管形成シグナル蛋白質)の分子細胞生物学的研究
Project/Area Number |
03454021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 彦一 東京大学, 理学部, 教授 (80011477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 幸子 東京大学, 理学部, 助手
前川 昌平 東京大学, 理学部, 助手 (40173695)
西田 栄介 東京大学, 理学部, 助手 (60143369)
室伏 擴 東京大学, 理学部, 助教授 (70101128)
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Keywords | 中心体 / G蛋白質 / 微小管形成 / 星状体形成能 / MPF / MAPキナ-ゼ / 微小管形成中心 |
Research Abstract |
1)アフリカツメガエル卵の抽出液と哺乳動物培養細胞由来の単離中心体を用いたin vitroの星状体形成解析系を確立し、精製MPFが中心体の成熟(中心子の周りに機能的な中心子外周物質の集積と活性化)に必須であることが明らかになった。また、MPFと同じくMAPキナ-ゼも間期の微小管ダイナミクスを分裂中期型に変換させる能力があるが、MAPキナ-ゼが直接MAPsをリン酸化するのではなく、介在する別のキナ-ゼが存在することを証明した。 2)51KDa蛋白質はGTP結合蛋白質でありGTPアフィニティ-カラムに結合する。51kDa蛋白質が主要な成分である中心体可溶化分画をGTPアフィニティ-カラムにかけGTPで溶出したところ51kDaと45KDa蛋白質が複合体として分離することが証明された。この45kDa蛋白質はそれ自身ではGTP結合能を持たないことが8azidoーGTPによるアフィニティ-標識からわかった。 この45kDa蛋白質を抗51KDa蛋白質モノクロ-ン抗体を用いて精製すると、30kDa蛋白成分がほぼ等量含まれ、両者が複合体を形成していることが明らかになった。 3)51kDa蛋白質のGTP結合能に対する45/30kDa複合体の効果を検討したところ、この複合体は51kDa蛋白質のGTP結合能を強めることが証明された。つまり、この51kDaG蛋白質のGTP/GDP交換反応の調節因子であることが強く示唆された。 4)中心体を構成するG蛋白質が結合するGTP/GDPにより微小管形成中心としての活性制御をうけるかどうか、GTP/GDPの結合により微小管との相互作用が異なるかどうか、中心体の活性化にMPFがどのように関与するが詳細な機構に関しては今後の課題として残された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hikoichi SAKAI 他: "Centrosome signalling at mitosis" Cellular Signalling. 3. 267-272 (1991)
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[Publications] Kunihiro OHTA 他: "Increase of microtubule nucleating activity of centrosome in cellーfree extracts from Xenopus eggs and its regulation by protein phosphrylation reaction." Proceedings of National Academy of Science,USA.