1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454026
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
安増 郁夫 早稲田大学, 教育学部, 教授 (10063421)
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Keywords | ウニ胚 / 小割球 / 虚足成長 / 骨片形成 / プロテインチロシンキナ-ゼ / インシュリン / GTP結合タンパク質 / 百日咳毒素 |
Research Abstract |
ウニ胚16細胞期から単離した小割球は、馬血清又は胞胚腔内物質の存在下で培養すると、胚に存在する細胞と同じく虚足成長が起り、細胞内の骨格胞内に炭酸カルシウムを含む骨片が形成される。虚足成長はインシュリン投与でおこり、タンパク質のチロシン残基のリン酸化が促進されるが、骨片形成は馬血清又は胞胚腔内物質の存在がなければおこらない。虚足成長開始直前に、インシュリンは馬血清に含まれる物質と競合的に小割球由来細胞と結合するようになる。この時期にインシュリンと結合し得る受容体が細胞膜に発現し、その結合によって細胞内への信号が起生して、虚足成長を引き起すと考えられる。インシュリンによる虚足成長は骨片形成を伴なわない。培養小割球由来細胞の虚足成長と骨片形成は、アクチノマイシンDによるRNA合成で阻害されるが、虚足成長開始直後にRNA合成を阻害すると、虚足成長は続き、骨片形成は起らない。虚足成長と骨片形成は異なったトランスクリプションによるものであり、前者はインシュリンと結合し得る受容体による細胞信号によって開始するものと考えられる。後者を開始する細胞間情報として、インシュリン抗体で処理した馬血清を用い、インシュリン処理細胞に投与すると骨片形成が開始するが、処理されていない細胞では虚足成長、骨片形成は起らない。インシュリン処理で虚足成長がはじまると、新しい骨片形成開始と関連する受容体が生ずる可能性がある。インシュリン受容体は、本研究で得られた知見によれば、チロシンキナ-ゼをもつものと考えられる。もう一方の受容体の特性を知る第一歩として胚細胞のGプロテインを測定した。全胚と同じく、Gs,Gi又はGo,低分子Gプロテインを見出した。このうち、Gi又はGoの活性に影響する百日咳毒素は骨片形成に影響を与えた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Kamata: "Identification of GTP-binding protein by ADP-ribosylation in the presence of cholera toxin,pertursis toxin and botulinum toxin in Plasma membrane isolated from eggs and embryos of sea urchin." Development,Growth & Differentiation. (1992)
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[Publications] S.Kuno: "Effect of actinomycin D on the growth of pseudopodial Cables and spicule formation in culture cells derival from micromeres isolated from sea urchin embryos,with special reference to cnanges in the activities of protein kinase c and H^+,K^+-ATPase." Development,Growth & Differentiation.
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[Publications] S.Kuno: "Does phosphory lation of tyrosin residue in protein induced by insulin initiate growth of pesudopodia in cultured cells derived from micromeres isolated from sea urchin embryos."
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[Publications] S.Kuno: "Possible participation of G-proteins in initiation of spicule formatiod in Culturen cells derived from isolated micromeres of sea urchin embryos."
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[Publications] K.Mitsunaga-Nakatsubo: "Stimulating effect of ruthenium red on pseudopodial cable Growth in micromeres derived from isolated micromeres of sea urchin embryos."