1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454029
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
猪郷 久義 筑波大学, 地球科学系, 教授 (20015572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 修子 筑波大学, 地球科学系, 助手 (80182997)
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Keywords | 三畳紀 / 有孔虫 |
Research Abstract |
本研究の目的として,1)日本各地の三畳紀石灰岩中の小型有孔虫化石と共存化石との化石層位学的価値の検討,2)その化石内容のヨ-ロッパ・アルプス地域や中国南部等のものとの比較による古生物地理的評価の検討,3)古生代型と中生代・新生代型との間をつなぐ進化史的重要性においての古生物的問題点の解明についての基礎的資料収集,の3点に関し,本年度は日本各地の三畳紀石灰岩の収集を予定していたが,野外調査を予定していた秋季に天候不順で雨天が多く,野外調査は充分とまでは行なうことができなかった。しかし福島県相馬市周辺の石灰岩資料収集と層序学的検討を含めた野外調査等については行なうことができた。またその分室内における処理作業,特に定方位薄片の作成等の作業についてはかなり進展させることができた。従来すでに収集・確保してあった。国内および比較検討のためのタイ国・マレ-シア国・アメリカ合衆国西海岸などの岩石資料についてもさらに処理を進めることができた。これらの岩石薄片については顕微鏡下での観察と比較検討を行なう予定であったが,今年度新たに購入することのできた,超広視野生物顕微鏡によって検鏡作業を円滑に進めることができたため,古生物学的比較検討もかなり進展した。また好資料については随時写真撮影し公表用の準備を行なっているが,上記顕微鏡と同時に購入した写真撮影装置が非常に有効に利用できたため,論文作成への下準備も進めることができた。また古生物学的研究に必要となる文献の収集を精力的に行なった。来年度は,中部日本・関東地方また東北日本の三畳紀石灰岩の採集と野外調査および処理作業を予定している。
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