1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松崎 昭夫 東京大学, 農学部附属農場, 助教授 (50107405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 哲夫 東京大学, 農学部附属農場, 助手 (30183057)
中元 朋美 東京大学, 農学部附属農場, 助手 (50180419)
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Keywords | イネ / ムギ / 主稈 / 分げつ / 幼穂分化 / 出穂 / 剪葉 |
Research Abstract |
栄養生長から生殖生長への転換,すなわち,幼穂分化が茎ごとに異なる理由を探るために,茎ごとの出穂日を調べた結果,主稈と分げつおよび分げつ相互間に品種特有のパタ-ンの存在することが認められた。このパタ-ンは栽培年次や栽培条件を異にしても大きく変わることはない。 本年度は,葉が展開を完了したら剪除する処理を加え,成熟した葉の存在が幼穂分化におよぼす影響を出穂日を指標に検討した。その結果,すべての分げつの葉を剪除すると,分げつの葉の展開が遅れ,出穂も遅れた。しかし,主稈の葉の展開速度には影響がなく,出穂も遅れなかった。また,奇数位あるいは偶数位の一次分げつのみ葉を剪除した場合には,葉を剪除した茎の葉の展開が遅れ,出穂が遅れたが,同じ個体の葉を剪除していない茎の葉の展開には影響がなく,出穂の遅れも認められなかった。 これらの結果,栄養生長から生殖生長に転換する,すなわち,幼穂を分化するためには,成熟した葉の存在が必要であり,同時にそこに生ずる"何かの物質"の存在が必要であることが示唆された。そして,この物質は茎を越えて移動することはないことも推定された。また,出穂した茎は2枚以上の葉をつけていたことからその物質を生産する能力の問題も考慮する必要のあることが示唆された。この物質の探求は茎ごとの幼穂分化時期の確認とともに次年度の主要課題である。 ムギ類でも一次分げつの葉数は主稈の葉数よりも相対的に増加し、上位の分げつの出穂日は主稈よりかなり遅れることが認められている。したがって,これらの現象はイネ・ムギに共通するしくみによってコントロ-ルされているのではないかと推定された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Matsuzaki Akio: "Characteristics relating young panicle development and heading of closely related Calrose rice genotypes." Japan. J. Crop Sci.60. 298-305 (1991)
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[Publications] Matsuzaki Akio: "Flag leaf determination of secondary and tertiary tillers and heading characteristics of rice plants." Japan. J. Crop Sci.60. 434-440 (1991)