1991 Fiscal Year Annual Research Report
キク及びカ-ネ-ションの苗生産に関する基礎的、応用的研究
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03454050
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小西 国義 岡山大学, 農学部, 教授 (20035968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 孝洋 岡山大学, 農学部, 助手 (40173009)
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Keywords | プラグトレ- / キク / カ-ネ-ション / 苗生産 / 挿し木 / 発根促進 / 用土組成 / 微気象 |
Research Abstract |
本研究は、プラスチック製連結ポット式苗箱を用いて、キクとカ-ネ-ションの苗を効率的に生産する方法の開発を目指している。当該年度は挿し木の発根促進を目的に基礎研究を行ない、以下の知見を得た。 挿し木前処理による発根促進:挿し木前に挿し穂の基部をIBA1000ppmに瞬間浸漬した後、ポリエレン袋に密閉状態で詰め、20℃の温度で5〜10日間前処理を行なうと発根が著しく促進されることが明らかとなった。本法は、発根因難な品種(例えばカ-ネ-ション‘フランセスコ')の発根促進および挿し木日数の短縮(キクでは約7日)に有効であった。今後は、さらに高温での前処理や苗冷蔵、STS、DCPTAとの組み合わせ処理を行ない、より有効な発根促進方法を開発する予定である。 挿し木用土の組成:挿し木用土の組成は、土、ピ-ト、パ-ライトの混合比率を変えることにより変化をさせた。挿し程の茎長、発根数、最大根長、および根の形状は、用土の組成に影響を受けた。挿し穂の茎長と地下部乾物重(根量)は、土の比率が高い用土で大きくなる傾向があった。用土による発根量の差異は用土の三相分布からだけでは説明できなかった。今後は発根だけでなく、育苗に好適な用土組成も検討する予定である。 苗箱群落内の微気象と苗品質:苗群落の微気象として、温度、相対湿度、光合成有効放射(PAR)を経時的に調査した。キクでは、苗箱のセルサイズが小さく育苗密度が高くなると、群落内の温度が外気温に比べて最大5℃低くなり、相対湿度は日変化が少なく常に90%以上となり、PARはほぼ0μmol/s/m^2となった。育苗中の下位葉の老化はこのような環境条件が原因で起こることが示唆された。この結果をふまえ、次年度は育苗環境の改善方法を検討する予定である。
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