1991 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンミツバチに関する総合研究ー比較生態と遺伝子資源としての評価ー
Project/Area Number |
03454056
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
酒井 哲夫 玉川大学, 農学部, 教授 (60074332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 正人 玉川大学, 農学部, 講師 (70204253)
吉田 忠晴 玉川大学, 農学部, 助教授 (80138601)
佐々木 正己 玉川大学, 農学部, 教授 (40096061)
竹内 一男 玉川大学, 農学部, 教授 (80074194)
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Keywords | ニホンミツバチ / 採餌行動 / ミツバチへギイタダニ / 情報伝達 / 人工養成 |
Research Abstract |
可動巣枠式巣箱による飼育法が確立したことにより,ニホンミツバチの蜂ろうで作製した人工王椀で女王蜂の人工養成を試みたところ,内径6.7mmの王椀で良好な結果を得ることができた.さらにプラスチック製の人工王椀を用いる方法も確立することができた.セイヨウミツバチのロ-ヤルゼリ-(RJ)を利用したニホンミツバチ女王蜂養成を試みた.孵化後1〜2齢幼虫を用いたRJ区では羽化個体を得ることができなかったが,10%のショ糖を添加したRJを孵化後3日齢幼虫に与えたところ,僅かではあるが女王蜂と働き蜂の中間型を得ることができた.自種のRJでは高い生育率と女王蜂の分化が認められるが,両種のRJの成分に生育に影響をおよぼす程の差があることが示唆された.同一蜂場内に併飼したセイヨウミツバチ,ニホンミツバチの両種コロニ-内への花粉搬入率の季節変動を調査した.その変動パタ-ンは種間で類似しており,搬入率は6〜8月にかけて最高値に達した.また,花粉トラップで採集した花粉だんごの色から両種の訪花特性を比較すると,セイヨウミツバチの方が植物の種数が多く,その多様度も高い結果となった.花粉だんごのサイズと重量を比較すると,セイヨウミツバチの方が大きく重かった.しかし,働き蜂1頭が運び得る花粉量と体重との比では大差は認められなかった.発信音記録用観察巣箱から,最長1300mまでの餌場にニホンミツバチを誘導し,距離と発信音パルス長との関係を解析した結果,北限の亜種ニホンミツバチは原産地の東南アジア亜種より遥かに広いフリッシュが報告したセイヨウミツバチのそれに匹敵する採餌圏をもっと推察された.ニホンミツバチの対ミツバチへギイタダニ抵抗性とセイヨウミツバチ,ニホンミツバチ間の巣門における扇風行動の向きの違いに関する原因の究明については,それぞれセイヨウミツバチでの予備的な実験を進め次年度のニホンミツバチでの解析への準備を整えた.
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 今井 教孔: "ニホンミツバチとセイヨウミツバチの採餌行動の比較ー特に蜜胃内容物に注目してー" ミツバチ科学. 12. 107-110 (1991)
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[Publications] 沖本 尚志: "ニホンミツバチの収穫ダンスと採餌距離" ミツバチ科学. 11. 117-120 (1990)
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[Publications] 奥 宣雅: "セイヨウミツバチの蜂群およびロ-ヤルゼリ-を利用したニホンミツバチ女王蜂養成の試み" ミツバチ科学. 11. 121-124 (1990)
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[Publications] 酒井 哲夫: "セイヨウミツバチとニホンミツバチの併飼蜂場での生態比較I.季節による活動の相違点" 玉川大学農学部研究報告. 30. 73-86 (1990)
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[Publications] 酒井 哲夫: "セイヨウミツバチとニホンミツバチの併飼蜂場での生態比較II.花粉ダンゴの搬入と訪花特性" 玉川大学農学部研究報告. 31. 169-178 (1991)
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[Publications] Sasaki,M.: "Absconding dance in Apis cerana haponica:A slow and long tail-waggling motivates the whole colony to translocate." In Social Insects and the Environment Ceds.Veeresh,G.K.et al.).Oxford & IBH Pub.Co.Pvt.Ltd.New Delhi.125-126 (1990)
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[Publications] Sasaki,M.: "Photoperiodic regulation of honeybee mating-flight time:Exploitation of innately phase-fixed circadian oscillation." Advances in Invertebrate Reproduction. 5. 503-508 (1990)
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[Publications] Sasaki,M.: "Oriental orchid (Cymbidium pumilum) attracts drones of the Japanese honeybee (Apis cerana japonica) as pollinators" Experientia. 47. 1229-1231 (1991)
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[Publications] 須本 茂幹: "ミツバチの大顎の形態ー特に裏面隆起上に配列する一条の剛毛群についてー" ミツバチ科学. 12. 111-114 (1991)
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[Publications] 吉田 忠晴: "対馬におけるニホンミツバチの採蜜" ミツバチ科学. 11. 63-66 (1990)
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[Publications] 吉田 祐三: "種々のワックスで造った巣礎および人工王椀へのミツバチの反応" ミツバチ科学. 12. 31-33 (1991)