1991 Fiscal Year Annual Research Report
ゼニゴケミトコンドリアゲノムの全塩基配列の決定と遺伝子情報発現
Project/Area Number |
03454065
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大山 莞爾 京都大学, 農学部, 教授 (40135546)
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Keywords | ゼニゴケ / 葉緑体ゲノム / 核ゲノム / 植物細胞 / オルガネラ / 全塩基配列 / 遺伝情報システム / ミトコンドリアゲノム |
Research Abstract |
植物細胞にはオルガネラとして葉緑体、ミトコンドリアが存在し、独自のDNAを持つ。葉緑体ゲノムの分子生物学的研究は発展しつつあるが,特に,研究代表者らによりゼニゴケ葉緑体ゲノムの全塩基配列がはじめて決定された。葉緑体ゲノムの分子生物学に大きなインパクトを与えての発展に貢献した。一方、もう一つのオルガネラであるミトコンドリアについては、ヒト、イ-ストを用いて、特に、生体物質のミトコンドリア膜透過についての生理的、生化学的研究は進んでいるが,ゲノム耕成が複雑な植物のミトコンドリアゲノムについての分子生物学的知見はきわめて少ない。植物ミトコンドリアゲノムの全構造は未だ決定されていない。本研究では、計画年度内にゼニゴケミトコンドリアゲノムの全塩基配列を決定し、その全塩基配列の解析にもとずき,植物ミトコンドリアゲノムの持つ全遺伝容量を規定する。この目的達成により、同一の細胞種(ゼニゴケ)における二つのオルガネラ(葉緑体、ミトコンドリア)の遺伝子情報システムの全貌が明らかになる。引続き、個々のミトコンドリア遺伝子の発現機構を明らかにすることにより,葉緑体ゲノムの遺伝子情報システムと併せて、ミトコンドリアゲノムと核ゲノムの動的な遺伝子情報のメカニズムを解明する。初年度は、サザンハイブリダイゼ-ションにより得られた遺伝子について精力的に塩基配列を決定すした。塩基配列決定法は、デリ-ションによるクロ-ンを用いる方法により行なった。以下に述べる方法で実施した。(1)コスミドベクタ-による全遺伝子バンクならびに制限酵素切断地図の作成した。(2)塩基配列決定のためのサブクロ-ニングをpUCベクタ-を用いて行なった。(3)サザンハイブリダイゼ-ションによるリボソ-ムRNA遺伝子、ATPaseサブユニット遺伝子、チトクロ-ムオキシダ-ゼサブユニット遺伝子の座位の決定した。(4)Dideoxy法による上記遺伝子の塩基配列の決定。
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