1992 Fiscal Year Annual Research Report
コメにおけるアレルゲン蛋白質の発現制御に関する遺伝子工学的研究
Project/Area Number |
03454068
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 良 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 貴弘 名古屋大学, 農学部, 助手 (50222625)
松田 幹 名古屋大学, 農学部, 助教授 (20144131)
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Keywords | コメアレルゲン蛋白質 / アンチセンスRNA法 / イネゲノム遺伝子 / トランスジェニックイネ |
Research Abstract |
本申請者はこれまでにコメに含まれる主要アレルゲン蛋白質を単離し、その性質を明らかにすると共に、アレルゲン蛋白質のcDNAクローンをプローブとしてイネゲノム遺伝子の解析を行ってきた。本年度はこれまでに行ってきたコメアレルゲン蛋白質遺伝子の構造解析に基づいて、アンチセンスRNA法によるイネ種子におけるアレルゲン蛋白質発現抑制を試み、実験室的規模では成功の可能性が認められたので、その内容を報告する。 実験は、すでに得られているコメアレルゲン蛋白質のcDNAを、3種のプロモーター(コメアレルゲン蛋白質プロモーター、イネプロラミンプロモーターおよびカリフォルニア・モザイクビールス35Sプロモーター)に逆向きに連結した遺伝子を作製し、イネプロトプラストへ直接導入した。再分化したトランスジェニックイネの種子におけるアレルゲン蛋白質の量は、SDS-PAGEおよびウエスタンブロッティングにより解析した。その結果、アレルゲン蛋白質以外の主要貯蔵蛋白質であるグルテリン、プロラミンに関しては全く減少は認められなかった。しかし、幾つかのトランスジェニックイネの種子では、アレルゲン蛋白質含量が明らかに減少していることが確かめられた。このことは、アンチセンスRNA法によるアレルゲン蛋白質の発現抑制が十分に可能であることを示すものである。今後閉鎖系圃場での実験を行い、開放系圃場への実験に移して実用化に向けて研究を発展される予定である。
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