1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454075
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古野 東洲 京都大学, 農学部, 助教授 (00026626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二井 一禎 京都大学, 農学部, 助手 (50165445)
渡辺 弘之 京都大学, 農学部, 教授 (90026633)
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Keywords | クスサン / 攝食量 / 食害量 / モミジバフウ林 / 葉の回復 / スギドクガ / スギ林 / 成長減退 |
Research Abstract |
1.クスサンに食害されたモミジバフウの葉の回復 クスサンに食害されたモミジバフウの葉の回復を,林分の全葉食害区域で,ドラップを設置して調査した結果,m^2あたり174〜213gの落葉が集められ,平均値は199g/m^2となった。この値は前年に調査された林分葉量の31.7%に相当した。さらに,クスサンの食害最盛期の6月11日に,人為的に摘葉した枝から,摘葉量の14〜23%に相当する回復葉が展開した。これらの回復葉は小形で,面積は正葉に比べて1/3以下であった。 2.モミジバフウ壮齢林の現存量と成長量 クスサンが大発生し,また発生の可能性のあるモミジバフウ壮齢林の現存量を調査した結果,林齢23年の林分で,地上部現存量は190.5ton/haと推定され,幹が87.9%,枝が9.1%,葉が2.5%,球果が0.5%となった。年間地上部成長量は16.7ton/haで,幹と枝の非同化部分が地上部の66%を占めていた。クスサンが食害する葉量は4.78ton/haで,葉柄を除いた葉身量は4.18ton/haと推定された。この葉量は,一般に考えられている落葉広葉樹類の平均的な葉量と比べて,約40%多く,モミジバフウ林では,食葉性昆虫類の発生に対し,大きな包容力(低抗力)があることが明らかになった。 3.スギドクガに食害されたスギ林の生育 スギドクガに食害されたスギ林の4生育期後の生育状況を調査した結果,激害区域では枯死したスギが50%を越えていた。さらに梢端が枯れて複数の萌芽枝が伸長したために,幹の先端がホウキ状になっている個体も多かった。梢端が枯れずに生育を続けている個体の被害翌年の幹成長量は被害前年の成長量の10%以下の個体も多く,スギドクガのスギへの加害の激しさを明らかにすることができた。なお本調査の詳細は現在整理中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 古野 東州: "クスサンに食害されたモミジバフウの葉の回復." 日本林学会関西支部論文集.
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[Publications] 古野 東洲: "モミジバフウ壮齢林の現存量と成長量" 日本林学会関西支部論文集.
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[Publications] 古野 東洲: "モミジバフウ林に発生したクスサンの食害量の推定" 日本林学会大会発表論文集.