1992 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換菌の育種とそれのルーメンへの定着に関する研究
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03454100
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
星野 貞夫 三重大学, 生物資源学部, 教授 (90024546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 正彰 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (40024575)
粟冠 和郎 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (20154031)
大宮 邦雄 三重大学, 生物資源学部, 教授 (60023488)
嶋田 協 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20024549)
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Keywords | 電気穿孔法(エレクトロポーレーション) / プラスミド / 嫌気性ルーメン菌 / ルーメン生態系 |
Research Abstract |
1.絶対嫌気性ルーメン細菌R.albusを嫌気ボックスおよびガスパックパウチ内でシャーレに平板培養できるようになったので、電気穿孔法(エレクトロポレーション)で形質転換した細胞のスクリーニングを行い、抗生物質エリスロマイシン耐性のR.albus形質転換株を得ることに成功し、その再現性を確認している。今年度は、抗生物質耐性遺伝子のみを持つ各種プラスミドを用いたが、そのうちpRRI207のみが安定にR.albusを形質転換した。このとき用いた条件としては、電圧1.25kV/mm、抵抗200Ω、キャパシティー25μFであった。これのほかに、乳酸菌で発現するベクターのR.albusでの発現を試みている。 2.得られた形質転換株はいずれも元菌株のそれとは著しく異なり、生育に時間がかかりしかも堅いコロニーであった。液体培地には生育困難であることが判明した。このため、今年度購入したジャーファーメンターでの人エルーメン装置による培養実験は来年度に延期せざるを得なくなった。 3.Butyrivibrio fibrisolvensよりプラスミドを単離し、その塩基配列を決定した。このプラスミド機能に関する詳細はまだ明確でないが、塩基配列のホモロジーを解析した結果、2971bpのうち約半分が複製領域と推定できたので、他の領域を切除し、選択マーカーやセルラーゼ遺伝子を組込んだベクターの構築を進めている。このプラスミドを組込んだ形質転換株の育種にはまだ成功していない。 4.組換菌導入を予定しているルーメンについて、微生物生態系の理解を一尽深めるため各種処理粗せんいの消化性、それへの細菌、プロトゾア、藻菌類の関与について解析し発表した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 大宮 邦雄: "植物繊維分解ルーメン細菌における遺伝子工学" 日本畜産学会報. 63. 520-536 (1992)
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[Publications] 中川 俊樹: "繊毛虫の存否が羊のルーメン液性状と飼料の利用性に及ぼす影響" 日本畜産学会報. 63. 964-969 (1992)
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[Publications] 小林 泰男: "Effects of the ionophore salinomycinon nitrogen and long-chain fatty acid profiles of digesta in the rumen and the duodenum of sheep" Animal Feed Sience and Technology. 36. 67-76 (1992)
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[Publications] I.K.O.Cann: "Effects of some ionophore antibiotics and polyoxins on the growth of anaerobic rumen fungi" Journal of Applied Bacteriology. 74. 127-133 (1993)
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[Publications] 小野田 昭雄: "Isolation of anaerobic phycomycete fungi from some herbivores and their chemical composition" 日本畜産学会報. 64. 115-120 (1993)