1992 Fiscal Year Annual Research Report
樹立胎仔肝細胞株を用いた胎仔肝における造血機能の解析
Project/Area Number |
03454114
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 恒敏 東北大学, 医学部, 教授 (90004746)
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Keywords | 肝 / 胎仔肝 / 肝細胞 / 造血 / 微小環境 / 支質細胞 / コロニー増殖因子 / 細胞間相互作用 |
Research Abstract |
胎生肝は胎生時代における重要な造血器官である。その機構を明らかにするために我々は胎生15日のBALB/cマウスの肝臓から上皮細胞クローン(FHC-4D2)を樹立し、その株細胞が持つ造血支持機能の解析を行った。昨年度の報告では4D2は骨髄細胞に対しても胎仔肝造血細胞に対しても増殖促進作用を示し、その働きは4D2の分泌するCSF活性によること、それらはM-CSF及びGM-CSFであることがわかった。 さらに、4D2はその単層培養上で骨髄造血細胞を12週間、外来性の造血コロニー増殖因子のない状態で維持した。2週間以上の培養では造血細胞との直接の接触が必要だった。4D2は5-FU投与マウスの骨髄細胞も維持した。Limiting dilution analysisでは4D2が未熟な前駆細胞をGM-CFCまで分化させることがわかった。一方、4D2単層培養上にマウス胎仔胸腺リンパ球をのせヒトrlL-2を100U/mlを加えた状態で培養すると、約2週間で胎仔胸腺リンパ球が増殖し、増殖してきたリンパ球はThy1陽性で、ほぼ10%がCD3に染色された。CD3陽性のうち、ほとんどがTCRγδ型で、Vγ5を発現しており、大半がCD8ααのタイプで細胞障害活性が認められた。また、4D2はBリンパ球に対しても支持作用を発揮したが、表面に免疫グロブリンを発現しない未熟なBリンパ球が産生され、肝細胞株のみではそれ以上には分化が進まなかった。それらをWhitlock-Witteの培養に移すと表面に免疫グロブリンを発現するまでになった。 本年度での研究で、長期培養系では4D2と前駆細胞の細胞間相互作用(接触)によって造血細胞が支持されることが明かとなった。さらに解析の結果、造血支持作用に加えて胎仔型Tリンパ球および熟なBリンパ球の増殖作用も持つことが証明された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hata,M.,Nanno,Doi,H.,Satomi,S.,Sakata,T.,Suzuki,R.,and Itoh,T.: "Establishment of a hepatocytic epithelial cell line from the murine fetal liver capable of promoting hemopoietic cell proliferation" J.Cell.Physiol. 154. 381-392 (1993)
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[Publications] 伊藤 恒敏、畠 雅弘、土井 秀之、鈴木 隆二、坂田 恒昭、里見 進、南野 昌信: "胎仔肝上皮細胞株によるγδ型T細胞の誘導" Minophagen Medical Review,Supplement. (1993)