1992 Fiscal Year Annual Research Report
光励起過程において引き起こされる急激なcGMP代謝酵素活性変動の二・三次元解析
Project/Area Number |
03454118
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
齋藤 多久馬 自治医科大学, 医学部, 教授 (40090419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山門 誠 自治医科大学, 医学部, 助教授 (80010114)
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Keywords | 網膜 / 視細胞 / Phosphodiesterase / 急速凍結 / 酵素組織化学 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
網膜視細胞外節に含まれる円板膜はロドプシンを含み、光に励起されることによりトランスヂューシンを活性化し、次いでphsphodiesteraseが活性化トランスヂューシンにより活性化を受けてcGMPをGMPに変える事により、細胞質内cGMP濃度が急激に低下することにより、原形質膜上のチャンネルが閉鎖してボテンシャル電流を生じることが生理・生化学的に示されている。この代謝を司る分子形態変動による活性変化を超微細形態上からも明らかにすべく急速凍結置換酵素細胞化学を導入して、その酵素局在の場を明らかにし酵素活性変動の動態を急速凍結を導入することにより把握可能として来た所である。 昨年は、従来より用いられてきたFlorendo et al.(1971)のphosphodiesterase活性検出の組織化学的方法では、反応液に含まれる蛇毒により微細構造の破壊が甚だしいので、これを、蛇毒を5'-nucleotidaseに変えた方法を導入して、所期の目的を達し、論文は現在印刷中である。今年は5'-nucleotidaseを検出する方法にクエン酸鉛法を導入して、従来にない高い検出法を得、現在phosphodiesterase検出法に応用を試みているところである。 現在、円板膜の上でどの様な分子構築により光励起過程が保証されているのかを明らかにすべく、phoshodiesterase、5'-nucleotidaseの検出と共に、他のcGMP代謝酵素であるGTPase、guanylate、cyclase活性を含めて、走査型電子顕微鏡並びに急速凍結割断法の導入により活性局在の場を網膜視細胞において検討すると共に、これら酵素の活性基の二次元・三次元的構築を明らかにすべく実験を繰り返しているところである。 明年はこれに走査トンネル顕微鏡による観察を加えて、光励起過程において引き起こされる一連の急激な代謝活性変動の実体に迫りたい。凍結割断法を用いて解析を開始した所である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Takizawa,T. & Saito T.: "Improved cytochemical method for cyclic 3',5'-nucleotie phosphodiesterase in rat rod outr segments." Acta Histochem.Cytochem.25. 697-705 (1992)
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[Publications] Saito,T.,Takizawa,T.,Ishibashi,T. & Kanazawa,K.: "Ultracytochemistry of glucose-6-phosphate dehydrogenase in adrnal gland." Okajima's Folia Anat.Nippon.69. 217-224 (1992)
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[Publications] Ishibashi,T.,Kanazawa,K.,& Saito,T.: "Ultracytochemical study of glucose-6-phosphatae activiy on cholestatic jaundice." J.Clin.Electron Microsc.25. 239-248 (1992)
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[Publications] Oguro,N.,Momoi,M.,Yanagisawa,M.,Onozaki,K.& Saito,T.: "Effect of freezeing on cytochrome c oxidase cytchemistr in cells in monolayer culture." Acta Histochem.Cytochem.25. 523-531 (1992)
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[Publications] 瀧澤 俊広、齋藤 多久馬: "凍結超薄切片による酵素組織化学" 細胞. 24. 566-570 (1992)
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[Publications] Ishibashi,T.,Kanazawa,K. & Saito,T.: "Ultracytochemical study of glucose-6-phosphate dehydrogenase activity in rat hepatic cells." Histochemistry. (1992)
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[Publications] 齋藤 多久馬: "電子顕微鏡の上手な使い方講座1 分担:細胞化学を始める人のために" 日本電子顕微鏡学会 電顕サマースクール実行委員会, 10 (1992)
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[Publications] 齋藤 多久馬、瀧澤 俊広、福島 統: "組織細胞化学1992 分担:凍結技法の導入による酵素組織化学の新しい展開。" 日本組織細胞化学会, 21 (1992)