1991 Fiscal Year Annual Research Report
ラット三又神経感覚枝の発生分化過程の生理学的・組織学的研究
Project/Area Number |
03454124
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
工藤 典雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (60014239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 三幸 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (80143147)
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Keywords | 三又神経 / 神経発生 / 糖脂貭 |
Research Abstract |
胎生13日より20日迄のラットにおいて、三又神経上顎枝、下顎枝における9ー0ーアセチルGD_3の発現を免疫組織学的手法を用いて調べた。その結果、胎生13日〜15日においては、上顎枝、下顎枝とも、末梢端から、三又神経節細胞及び中枢端の全長にわたって、この糖脂貭ガングリオシドの発現が観察された。しかし胎生16日目頃より9ー0ーアセチルGD_3の発現が不均一になり始め、上顎枝のうち、背側のひげを支配している分枝上での発現が消失し始める。さらに発生がすゝみ、胎生18日、19日目には、背側と腹側の上顎枝の中で、背側のものは、9ー0ーアセチルGD_3をもはや発現しなくなり、腹側の限局された軸索のみに、この分子が見られるようになる。20日、21日頃になると、全ての三又神経において、この分子の発現は見られなくなる。この結果は、9ー0ーアセチルGD_3が、胎生のある限られた時期に、三又神経上顎枝及び下顎枝において、背腹方向の濃度勾配をもって発現している事を示している。この時期は、三又神経核内に、感覚枝の中枢端が、突起をのばし終止し始める時期と一致する。即ち、9ー0ーアセチルGD_3は、発生過程の軸索表面に、ある種の認識因子として存在し、三又神経上顎枝の代表的な支配器官であるひげからの入力の終止領域の決定に何らかの役割を果たしている可能性がある。この系においては、一本のひげからの入力は、中枢端においても、ばらばらになることなく、限局された領域に終止することから、同一のひげからの軸索は、束になって、中枢に至ると考えられている。この同一のタ-ゲットを持つ軸索同志の接着又は認識に、9ー0ーアセチルGD_3が役割を果たしている可能性が大きい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ozaki,S.,Kudo,N.and Okado,N.: "Serotoninーpositive fibers within the spinal motor nucleus of the newborn rat,with special reference to coーlocalization of substance P" Neuroscience Letters. 130. 145-148 (1991)
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[Publications] OKado,H.,Matsukawa,M.,Noritake,S.,Ozaki,S.,Hamada,S.Arita,M.and Kudo,N: "Specific ditterences in the distribution and coexistence ratio of serotonin and substance P in the monkey,cat,rat and chick spinal cord." Neuroscience Letters.
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[Publications] Iijima,T.,Matsumoto,G.,Matsumoto,Y.,Kudo,N.,Kato,M.and Ikegami,S.: "Optical detection of synaptic connection between septal qraft and host nirrocampus." Jap.J.Physiology. 41. S265 (1991)
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[Publications] Yamamoto,M.and Schwaiting,G.: "Formation of axonal pathways in developing cranial nerves." Neuroscience Res.11. 229-260 (1991)
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[Publications] Leclerc,N.,Schwarting,G.A.,Henup,K.,Hawkes,R.,and Yamamoto,M.: "Compartmentation in mammalian Cerebellumi zebinII and pーpath antibodies define three Classes of saqittally organized bands of Purkinje Cells." Proceedings National Academy of Sclence(USA).