1992 Fiscal Year Annual Research Report
ラット三又神経感覚枝の発生分化過程の生理学的・組織学的研究
Project/Area Number |
03454124
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
工藤 典雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (60014239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 三幸 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (80143147)
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Keywords | 三又神経 / 発生成長 / 軸索伸展 |
Research Abstract |
本年は、三又神経中枢枝、特に上顎枝及び下顎枝の三又神経核内での終止領域が発生が進むに従いどの様に変化していくかを、主として電気生理学的手法により調べた。方法としては、胎生または生後のラット(胎生19日〜生后2日)の脳幹部を、三又神経節及び上顎枝、下顎枝をつけて摘出し、これを左右に切断し一側のみの標本とした。この標本を25℃クレブス液で潅流し、三枝神経上顎枝、下顎枝を各々吸引電極で刺激し、脳幹内でのフィールドポテンシャルを記録することにより、各枝の終止部位の広がりを同定した。その結果、 1) 胎生19日において即に末梢からの知覚入力があり、各神経枝の投射領域が異ることが確認された。即ち、下顎枝は三又神経感覚核の背側に上顎枝は腹側に投射していた。観察されたフィールドポテンシャルは潅流液をCa^カフリーにすると消失することから、この時期即にシナプス形成があると考えられる。 2) 三又神経主知覚核内での各枝の投射領域は、出生前後において変化が見られ、胎生19日〜生后2日にかけて、上顎枝、下顎枝刺激に対するフィールドポテンシャルのオーバーラップする領域が小さくなり、各神経枝の投射領域が核の背腹方向にそれぞれ局在していくのが認められた。更に、最近軸索投射を調べるのに用いられている螢光色素DiIを用いて、各枝の投射領域を比較した。胎生12日では、下顎枝の終止が前后方向及び、背腹側でかなり広汎に広がっているが、胎生17日目頃から、広がりが限局してくるのが認められた。しかし胎生19日〜生后になると、神経節を超えて中枢まで輸送されるDiIの量が減るため、終止部位の広がりの比較には不適当と思われた。
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Research Products
(1 results)