1993 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞及び免疫細胞の情報伝達機構に関する基礎的研究
Project/Area Number |
03454130
|
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
澤田 正史 島根医科大学, 医学部, 助教授 (20019558)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一ノ瀬 充行 島根医科大学, 医学部, 助手 (90127506)
|
Keywords | マウス腹腔マクロファージ / アメフラシ神経細胞 / 血小板活性化因子 / 補体成分C5a / カルシトニン / イオンチャネル / NO-応答 / cGMP |
Research Abstract |
1.研究成果の概要 (1)培養マウスマクロファージ(Mφ)に血小板活性化因子(PAF)を微少量投与して発生する外向電流I_O(PAF)の記録に成功し、その発生機序について電気生理学的・薬理学的に解析した結果、I_O(PAF)は細胞内Ca^<2+>動員を介したCa^<2+>-activated K^+conductance上昇によることが判明した。 (2)前年度までに解析してきたMφのAdr-応答に関し、Adr-receptorのサブタイプについて薬理学的に解析した結果、Adr-応答はα_<1A>-adrenoceptor-G蛋白質-IP_3-Ca^<2+>放出を介して発生するK^+チャネルの活性化によることが判明した。 (3)さらにMφに補体成分C5aを微少量投与して発生する外向電流について詳細に解析した結果、C5aはCa^<2+>依存性と非依存性の二種類のK^+チャネルを活性化することが明らかとなった。 (4)一方、Aplysia神経細胞にカルシトニンを微少量投与して発生する外向電流I_O(CT)の記録に成功し、そのイオン機構と細胞内情報伝達機構を解析した結果、I_O(CT)はcAMPを介したNa^+コンダクタンス減少により発生することが判明した。 (5)さらに神経系細胞におけるNOの情報伝達物質としての役割を調べるため、NO generatorであるsodium nitroprusside(SNP)をAplysia神経細胞に微小量投与した。SNP投与で発生する内向電流I_i(NO)の記録に成功し、その発生機序について解析した結果、細胞内cGMP上昇を介するNa^+チャネルの活性化によることが判明した。 2.成果の達成度 (1)MφのPAF-応答、C5a-応答の発生機序とAdr-応答に関するMφのAdr-receptorのサブタイプの決定に関して年度内に解析できた。 (2)一方、神経細胞のCT-応答及びNO-応答についても年度内に解析できた。 (3)なお、交付申請時の神経細胞のサイトカイン(IL-1)-応答の細胞内情報伝達機構に関しては現在解析中である。
|
-
[Publications] M.Sawada: "Calcitonin induces a decreased Na^+ conductance in identified neurons of Aplysia." Journal of Neuroscience Research. 36. 200-208 (1993)
-
[Publications] N.Hara: "The α_<1A>-adrenoceptor couples to Ca^<2+>-mobilization in mouse peritoneal macrophages." Life Sciences. 53. PL135-140 (1993)
-
[Publications] N.Hara: "Inositol 1,4,5-trisphosphate mediates adrenaline activation of K^+ conductance in mouse peritoneal macrophages." Pflugers Archiv European Journal of Physiology. 423. 140-148 (1993)