1991 Fiscal Year Annual Research Report
ド-パは伝達物質たり得るか?ー生体位線条件からの遊離証明と行動薬理学的応答の研索
Project/Area Number |
03454146
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三須 良実 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10025687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 慎一 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20207880)
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Keywords | ド-パ / 脳微量透析法 / 自発性遊離 / 伝達物質様遊離 / ニコチン / アセチルコリン受容体 / αーメチルパラタイロシン / 自発運動 |
Research Abstract |
従来ドパミンの前駆体に過ぎないとされてきたド-パの、伝達物質様遊離の有無並びに同遊離とニコチンによる自発運動との関連について、脳微量透析法及びHPLCーECDを用いて検討した。1.(1)内因性ド-パは生体位線条体において自発的に遊離されており、ド-パとドパミンの遊離比は1:1ー2であった。αーメチルパラタイロシン(αーMPT)200mg/kgはド-パ遊離を著明に抑制、ド-パ脱炭酸酵素阻害薬N5Dー1015,100mg/kgは同遊離を著明に増大,ド-パ脱炭酸酵素はド-パをドパミンに変換した。(2)このド-パの遊離はCa^<2+>依存性,テトロドトキシン(TTX,1μM)感受性を示し、これはドパミンの結果と一致した。(3)さらにK^+50mM,40分間刺激はド-パ,ドパミン遊離をCa^<2+>依存性に誘発した。これらの事実は内因性ド-パが神経伝達物質様の過程を経て生理的に遊離されていることを示しており,ド-パが神経伝達物質であるとの仮説を支持する。 2.(1)1.と同様の系において、ニコチン10ー300μM局所還流は内因性ド-パを用量依存性に誘発し,200μMによる遊離はCa^<2+>依存性,TTX(100nM)感受性,立体特異性,メカミラミン(500μM)感受性を示し,この結果はドパミンによる結果に一致した。さらに重要な知見として,ド-パの自発性遊離がメカミラミン感受性を示すこと,すなわちニコチン性アセチルコリン受容体を介して緊張性に遊離されていることを見い出した。一方,ニコチン0.1ー1.0mg/kgは用量依存性に自発運動を増大し,0.4mg/kgによる作用は立体特異性,メカミラミン(1.0mg/kg)感受性を示した。線条体の脳微量透析において,ドパミンを減少させずにド-パのみを選択的に減少させる用量のαーMPT3mg/kg前処置は0.4mg/kgによる作用を部分的に抑制した。この事実は、ニコチンによる自発運動増大には、その一部に内因性ド-パの遊離が関与していることを示している。
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[Publications] S.Nakamura: "Transmitterーlike basal and K^+ーevoked release of 3,4ーdihydroxypheny1ーalanine from the striatum in conscious rats studied by microーdialysis." Journal of Neurochemistry. 58. 270-275 (1992)
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[Publications] S.Nakamura: "Relevance of endogenous DOPA to nicotineーinduced increases in locoーmotor activities of freely moving rats." The Japanese Journal of Pharmacology,Supplement. 55. 295-295 (1991)
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[Publications] S.Nakamura: "Nicotine releases endogenous DOPA in a transmitterーlike menner from in vivo striatum and this release is probably relevant to nicotineーinduced increases in locomotor activities in rats." Neuroscience Reserch,Supplement. 16. 11-11 (1991)
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[Publications] S.Nakamura: "Nicotine releases endogenous DOPA in a transmitterーlike manner from striata of conscious rats and this release is probably relevant to nicotineーinduced increases in locomotor activities." The Japanese Journal of Pharmacology,Supplement. 58. 90-90 (1992)