1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454157
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
永井 克孝 (財)東京都臨床医学総合研究所, 所長 (80072974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山内 たか (財)東京都臨床医学総合研究所, 生命情報研究部門, 研究員 (60126018)
佐内 豊 (財)東京都臨床医学総合研究所, 生命情報研究部門, 研究員 (40150289)
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Keywords | ガングリオシド / シアル酸転移酵素 / アフィニティ-標識 / 界面活性剤 / ラクトシルセラミド |
Research Abstract |
動物細胞表面にアンテナ様にその糖鎖を露出し、細胞の外界との情報のやりとりを担う分子として注目されている糖脂質糖鎖は、細胞の発生、分化、癌化によって大きく変動する。このことは、発生、分化、癌化に糖脂質糖鎖が介在する細胞認識や情報伝達系が存在することを予期させる。そこで、このような細胞活動の各局面における糖脂質糖鎖の役割を解析するためには、糖鎖発現を調節する因子を解析することが重要である。本研究は、以上の研究背景と問題意識に基づいて、生理活性を持つシアル酸含有糖脂質(ガングリオシド)の生合成を担うシアル酸転移酵素の完全精製およびその生理学的意義の解析を目的としている。シアル酸転移酵素の完全精製:シアル酸転移酵素は極めて不安定でその精製は予想以上に困難を極めた。したがってより効率のよい膜蛋白質精製法の開発に迫られた。まず、ゴルジ装置調製が標準化されているラット肝臓を材料として膜酵素であるシアル酸転移酵素の可溶化条件を調べた結果、その活性はTriton CFー54やTriton Xー100で効率よく回収できた。つぎにシアル酸転移酵素をタンパク質レベルで検出し、分子量やサブユニット構造を解析するために、ゲル電気泳動で汎用されているイオン性界面活性剤であるSDSを用いて可溶化を試みたが、活性は回収出来なかった。そこでこの目的に適用できるイオン性界面活性剤を検索したところ、GD3合成酵素の活性はポリオキシエチレンラウリルエ-テル硫酸ナトリウム/ラウリルジメッチルアミンオキシド(7:3)により可溶化されることを見いだした。現在この界面活性剤の存在化でポリアクリルアミドゲル電気泳動を、活性バンドの検出を試みている。 シアル酸転移酵素の分子検出のためのアフィニティ-標識法の開発:GM3合成酵素(α2→3シアル酸転移酵素)の分子検索をするために基質であるラクトシルセラミドの光反応性誘導体を合成し、その性質をしらべた。光アフィニティ-標識において、光反応性基の選択は重要な問題である。アリ-ルジアリジン誘導体は、光照射によりニトレンより高反応性のカルベンを発生し、ラベルにより生じる結合も安定しており有用とかんがえらる。今回、光反応性ラクトシルセラミドジアジリン誘導体の合成とGM3合成酵素への応用を試みた。ウシ脳灰白質膜画分を酵素源としてGM3合成酵素への親和性をラクトシルセラミドとの競合、およびLac部分へのシアル酸の取り込みを指標に検討し、ほぼ同定度の良好な基質になることが判った。合成基質の光分解はすみやかに進行し光反応性の点でもラベル試薬として望ましい性質を示した。アビジンービオチン系を検出系に利用できる本化合物は目的GM3合成酵素の分子検索に有用なリガンドと考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Hidari,S.Itonori Y.Sanai,M.Ohashi,K.Kasama & Y.Naqai: "Isolation and characterization of a monosialosylgang-liopentaosyl Ceramide from Xenopus laevis Oocyte" J.Biochemistry. 110. 412-416 (1991)