1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454180
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野田 公俊 千葉大学, 医学部, 教授 (60164703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉山 詩技子 千葉大学, 医学部, 助手 (50241964)
盛永 直子 千葉大学, 医学部, 講師 (20092108)
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Keywords | コレラ / コレラ毒素 / ADP-リボシル化 / ARF / ARI / DEPC / histidine / Gsα |
Research Abstract |
我々はコレラ発症のメカニズムをコレラ毒素のもつADP-リボシル化活性に注目して研究している。標的細胞内にはいったコレラ毒素のA_1ペプチド(CTA_1)のもつADP-リボシル化活性は、細胞内の種々の蛋白質因子によってその活性を大きく変化させる。例えばCTA_1がADP-リボシル化因子(ARF)と結合すると、そのADP-リボシル化活性が数倍に亢進しGs_α等を効率よく修飾する。一方、ADP-リボシル化阻害因子(ARI)と結合するとそのADP-リボシル化活性は完全に阻害される。我々はこれまでARFのCTA_1活性化機構ならびにARIのCTA_1阻害機構について報告してきたが、今回は、特にARIの「活性と構造」について興味深い成績が得られたので報告する。 ARIをdiethylpyrocarbonate(DEPC)で30℃、30分間処置したところ、CTA_1に対するARIのADP-リボシル化阻害活性がDEPCの濃度に依存して消失した。DEPCで処置したARIのA_<278nm>値には変化がなかったが、A_<240nm>の値が上昇した。DEPCは蛋白質のhistives残基に作用してN-carbethoxy-histidyl derivativesを形成すること、およびhistidineにこのような修飾がおこると、A_<240nm>値の上昇がおこることが知られている。ここで得られた成績は、DEPCがARIのhistdine残基を確かに修飾していること、およびARIの活性にhistidineの残基が重要な役割を担っていることを示唆している。これはARIの活性中心にhistidineが存在するためか、あるいはhistidineが修飾されたことによりARIの立体構造が変化したためであると考えられるが、これらについてさらに詳しく研究を継続中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 野田 公俊: "コレラ毒素のADP-リボシル化活性を制御する諸因子" 日本細菌学雑誌. 47. 367-372 (1992)
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[Publications] K.Seki,A.Hirai,M.Noda,Y.Tamura,I.Kato &S.Yoshida: "Epoxyeicosatrienoic acid stimulates ADP-ribosylation of a 52 kDa protein in rat liver cytosol." Biochem.J.281. 185-190 (1992)
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[Publications] N.Morinaga,I.Kato & M.Noda: "Identification of a 38 kDa protein which is ADP-ribosylated in human promyelocytic leukemia cell membrane." Medicine and Biology. 125. 259-263 (1992)
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[Publications] N.Morinaga,I.Kato and M.Noda: "Recent Advances in Toxinology Research" Venom & Toxin Research Group (P.Gopalakrishnakone & C.K.TAN eds), 568 (1992)
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[Publications] M.Noda and I.Kato: "ADP-ribosylation Reaction-Mechanism and Biological Function" Oji International Seminar (M.Miwa ed.), 66 (1992)