1991 Fiscal Year Annual Research Report
細菌感染ならびに菌体成分によるマクロファ-ジ活性化の分子生物学的研
Project/Area Number |
03454184
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
中野 昌康 自治医科大学, 医学部, 教授 (70048958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 慎二 自治医科大学, 医学部, 助手 (50195989)
松浦 基博 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20150089)
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Keywords | 細菌感染 / 細菌リポ多糖(LPS) / 腫瘍壊死因子(TNF) / プラスチン / サルモネラ / 緑膿菌 / マクロファ-ジ / Lーアルギニン |
Research Abstract |
1.細菌の細胞壁成分であるリポ多糖(LPS)やリピドAでマウス腹腔マクロファ-ジを刺激すると、65KDaの蛋白(PP65,マウスPlastin)がserine Kimaseにより特異的に燐酸化される。LPSによる蛋白燐酸化は、脾臓内のクマクロファ-ジやβ細胞、肝臓内のクッパ-細胞や血管内皮細胞、血液中の単球などでも認められるが、しかし、胸脾細胞や骨格筋細胞では認めることができない。 2.PP65と同様な蛋白はLPSに不応答性C3H/HeJマウスの腹腔マクロファ-ジにも存在することは、抗PP65抗体を使用して確認されたが、それはLPSの刺激では燐酸化されない。すなわち、C3H/HeJのLPSに不応答なのは、この蛋白が燐酸化されないことに関連することが示唆される。 3.LPS刺激によるマクロファ-ジ内の蛋白燐酸化とインタ-ロイキン1(ILー1)や腫瘍壊死因子(TNFーα)の産生とは密接に関連し、燐酸化を惹起できないピドA類緑化合物ではそれらモノカインの産生を誘導することはできないし、燐酸化を阻止するような代謝阻害剤を使用すればそれらのモノカインの産生も阻害される。 4.サルモネラや緑膿菌をマウスに感染させると、そのLPSによりTNFが産生されるが、内因性TNFーαが感染防御に重要な役割を果していることが、抗TNFーα抗体投与により明らかにした。また外因性投与TNFも感染を防ぐ上に有効であることも明らかにした。 5.サルモネラ感染マウスマクロファ-ジ内にはLPS刺激とは異なる燐酸化蛋白が認められる。そのあるものはリステリア菌感染の際に認められるものとも明らかに異なる。目下、サルモネラ生菌感染に特異的に現われるそれらの燐酸化蛋白の性状について検討を進めている。 6.サルモネラなどにはマクロファ-ジのLーアルギニン・酸化窒素殺菌系は有効に作用しないことを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Saito,S.et al.: "Sensitivity of bacteria to NaNO_2 and to Lーarginineーdependent system in murine macrophages" Microbiol.Immunol.35. 325-329 (1991)
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[Publications] Shinomiya.H.et al.: "Purification and characterization of the 65ーkDa protein phosphorylated in murine macrophages by stimulation with bacterial lipopolysaccharide." J.Immunol.146. 3617-3625 (1991)
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[Publications] Shinomiya,H.et al.: "Role of endotoxinーstimulated macrophages in liver injury;Molecular mechanisms of macrophageーactivation by endotoxin." Frontiers of Mucosal Immunity,Eds.by M.Tsuchiya et al.Elsevier Science Publishers. 2. 359-362 (1991)
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[Publications] Nakano,M.et al.: "Protective effect of cytokines in mice to Pseudomonas aeruginosa infection." Antibiot.Chemother.44. 196-202 (1991)
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[Publications] Matsuura,M.et al.: "Enhancement of nonspecific resistance against microbial infections with special reference to Pseudomonas aeruginosa infection by chemically synthesized lipid Aーsubunit analogs." Antibiot.Chemother.44. 203-208 (1991)
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[Publications] Nakano,M.et al.: "Protective effects of cytokines in murine salmonellosis." Microbial Infections;Role of Biological Response Modifiers,Eds.by H.Friedman and T.klein,Plenum Press. (1992)