1992 Fiscal Year Annual Research Report
単離したサイトメガロウイルス複製開始DNA断片を用いたウイルスDNA複製機構解析
Project/Area Number |
03454186
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 宣生 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90012723)
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Keywords | ヒトサイトメガロウイルス / DNA複製 / PCR / マイクロインジェクション |
Research Abstract |
マイクロインジェクションとPCRをくみあわせた新しいDNA複製検出系を開発し、HCMV Towne株のHindIIIA断片(map unit0.4を中心とする24kb領域)中に、主としてLyticphaseに機能するDNA複製開始点(oriLyt)が存在することを明らかにした。 次に、ori活性をもつDNA断片を漸次短くし、上記のDNA複製検出系を用いて、HCMV oriLytの最小領域を決定した。HindIIIA断片中の4.3kb領域(AatII-SacI)は24kb断片と同様の効率で複製したが、この4.3kb領域の5´-側から1.3kb、3´-側から0.9kbをそれぞれ欠失させたところ、複製効率は低下した。このことはHCMV Towne株oriLytの5´-側、3´-側境界がそれぞれこれらの領域中に含まれることを示している。 さらにHCMVのゲノムDNAの複製様式を明らかにするために、HCMV oriLytを含むプラスミドのHCMV感染細胞内複製中間体の構造を、低濃度アガロースゲルによる電気泳動とゲルから直接にPCRする方法を開発して解析した。この方法を用いて、DNA複製中間体は少なくとも240kbのHCMVゲノムより大きな分子となっていることを明らかにした。この結果はHCMV oriLytからローリングサークル型のDNA複製がおきていることを示唆している。(なお、この研究には大学院生渡辺慎哉が協力した。)
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