1991 Fiscal Year Annual Research Report
胸腺細胞選択とT細胞抗原レセプタ-・CD3分子、アクセサリ-分子の研究
Project/Area Number |
03454192
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野江 和則 北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (40002117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 和也 北海道大学, 免疫科学研究所, 助手 (20184898)
小笠原 一誠 北海道大学, 免疫科学研究所, 助教授 (20169163)
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Keywords | 胸腺 / positive selection / negative selection / T細胞分化 / CD4^+8^-T細胞 / 骨髄キメラ |
Research Abstract |
1.胸腺細胞が分化のどのような時期に、正または負の選択を受けるかを明らかにするために、胸腺支質細胞の機能と胸腺リンパ球の反応性の相関を解析した。その結果、胸腺支質細胞の中でマクロファ-ジ系の細胞の割合、及び胸腺マクロファ-ジの抗原提示能、ILー1分泌機能が高いマウス系統では、胸腺リンパ球の種々の刺激に対する反応性の発達が抑制されることが判明した。これらの抑制は、マクロファ-ジの分泌するプロスタグランディンE_2によることが示唆された。 2.自己反応性T細胞のクロ-ンの消去は、マクロファ-ジ、樹状細胞によることを明らかにしてきたが、今回、胸腺内の放射線抵抗性細胞(上皮細胞)もクロ-ン消去に関与することを明らかにした。ただし、クロ-ン消去の効率は、マクロファ-ジ、樹状細胞と較べて上皮細胞上のMHC分子では低く、これらは寛容原、T細胞抗原レセプタ-、各支質細胞上のMHCクラスII分子間の結合力の差によると考えられた。 3.MHCクラスII分子の突然変異によって、特定のT細胞クロ-ンの正の選択が障害され、T細胞レパ-トリ-に欠損の出来ることを明らかにした。 4.新たなT細胞亜群を胸腺内に同定した。これらはCD4^+8^-,CD44^+、NK1.1^+で、α,β型のT細胞抗原レセプタ-の発現量は、通常のCD4^+T細胞と較べて低下していた。これらの亜群には自己反応性抗原レセプタ-を発見するものが認められたが、実際のアロ反応性は低かった。同様のT細胞亜群は、骨髄にも比較的多数認められた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Iwabuchi Kazuya: "Distribution of MELー14^+ cells in various lymphoid tissues." Immunobiol. 182. 161-173 (1991)
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[Publications] Gotohda Toshihiko: "Analysis of functional sites on a peptide antigen,p43ー58,in IーA or IーEーrestricted T cell responses." Int.Immunol.3. 503-509 (1991)
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[Publications] Negishi Izumi: "Hー2K molecules positively select Vβ17a^+ CD4^ー8^+ T cells in bone marrow and thymc" Cell.Immunol. 136. 185-193 (1991)
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[Publications] Kizaki Takako: "Immune suppression induced by protoscoleces of Echinococus multilocularis in mice:Evidence for the presence of CD8^<aull> suppressor cells in spleens of mice intraperitoneally infected with E.multilocularis." J.Immunol.147. 1659-1666 (1991)
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[Publications] Hirose Shigeto: "Regulation of experimetal autoimmune uveitis in ratsーSeparation of MHC and nonーMHC gene effectsー." Clin.Exp.Immunol.86. 419-425 (1991)
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[Publications] Iwabuchi Chikako: "Deficiency in early development of the thymusーdependent cells in irradiation chimeras attributable to recipient environment." J.Immunol.146. 26-34 (1991)
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[Publications] 小野江 和則,(菊地 浩吉・矢田 純一・康 編): "I.TCRー抗原ーMHC 相互作用.「Annual Review免疫 1991」" 中外医学社,東京, 368 (1991)
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[Publications] 小野江 和則,(大沢 利昭,奥村 康,矢田 純一,永井 克孝 編): "骨髄移植キメラマウスを用いたHー2解析.「新生化学実験講座12.分子免疫学II.免疫遺伝学・アレルギ-」" 東京化学同人, 400 (1991)