1993 Fiscal Year Annual Research Report
マウスTL抗原の発現機構並びにgammadeltaT細胞の分化機構の解析
Project/Area Number |
03454198
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Research Institution | Aichi Cancer Center |
Principal Investigator |
小幡 裕一 愛知県がんセンター, 免疫学部, 室長 (30177290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 修 愛知県がんセンター, 病理学第二部, 主任研究員 (00142167)
高橋 利忠 愛知県がんセンター, 副所長 (00124529)
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Keywords | 胸腺T細胞 / 腸上皮細胞 / マウスTL抗原 / 細胞傷害性T細胞 / gammadeltaT細胞リセプター / 抗原提示 |
Research Abstract |
マウスTL抗原は、MHCクラスI抗原に属するがH-2とは発現様式が大きく異なる。本研究の目的は、TL抗原の機能を明らかにするとともに、T細胞の分化機構を解明することにある。本年度は以下の結果が得られた。 1.腸上皮細胞におけるTL抗原の発現:正常マウスの胸腺のみならず小腸および大腸の上皮細胞にも、TL抗原が発現していることが、血清学的検索から明らかになった。TL抗原は、クリプトに存在する上皮幹細胞および分裂細胞には発現せず、絨毛に存在する成熟した上皮細胞のみに発現する。TL抗原は、細胞表面と細胞質に分布しており、近接して存在するT細胞へ抗原提示を行っている可能性も考えられる。胸腺におけるTL抗原の発現には系統差があるのに対し、検索したすべてのマウスの腸上皮細胞にTL抗原の発現が認められる。したがって、腸上皮細胞が、TL抗原が機能する本来の細胞であると考えられ、新たな方向へ研究を展開することが必要となった。 2.胸腺に発現するTL抗原の役割:TL抗原を認識する細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導し、クローンを樹立した。胸腺にTL抗原を発現する遺伝子導入マウスから樹立したCTLクローンの25%はTCRgammadeltaであった。一方、TL抗原を胸腺に発現しないC3Hマウスから樹立したクローンは、100%がTCRalphabetaであった。したがって、胸腺でのTL抗原の発現が、gammadeltaT細胞の選択に関与していることが示された。 3.gammadeltaT細胞の機能:上記2に述べたように、細胞傷害活性を持つ複数株のgammadeltaT細胞クローンを樹立することに成功した。CTLクローンは、H-2分子による抗原提示を必要とせず、TCRがTLを直接認識することから、TL分子が抗原提示分子として機能することが示唆された。今後、これらのクローンの詳細な解析により、不明な点が多かったgammadeltaT細胞の機能ならびに抗原認識機構を明らかにできると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Watanabe,H.: "Generalized expansion of extrathymic T cells in various immune organs of TL-transgenic mice." Biomed.Res.14. 273-288 (1993)
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[Publications] Morita,A.: "TL-antigen as a transplantation antigen recognized by TL-restricted cytotoxic T cells." J.Exp.Med.179. 777-784 (1994)
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[Publications] Obata,Y.: "The structure,function and evolution of mouse TL genes,nonclassical class I genes of the major histocompatibility complex." Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.(in press). (1994)
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[Publications] Emi,N.: "Isolation of a novel cDNA clone showing a marked similarity to ME491/CD63 superfamily." Immunogenetics. 37. 193-198 (1993)
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[Publications] Yamamoto,K.: "Two distinct portions of LTG19/ENL at 19p13 are involved in t(11;19) leukemia." Oncogene. 8. 2617-2625 (1993)
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[Publications] Taguchi,O.: "Tissue-specific suppresser T cells involved in self tolerance are activated extrathymically by self antigens." Immunology. (in press). (1994)