1992 Fiscal Year Annual Research Report
DU-PAN-2抗原に対する抗イディオタイプ抗体の免疫応答の解析と癌診断治療への応用
Project/Area Number |
03454226
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
澤武 紀雄 金沢大学, がん研究所, 教授 (90019969)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 英樹 金沢大学, がん研究所, 助手 (40203799)
坂井 俊之助 金沢大学, がん研究所, 助教授 (90092783)
|
Keywords | DU-PAN-2抗原 / 抗イディオタイプ抗体 / 血中自己抗体 / 腫瘍免疫応答 / 単クローン抗体 / 消化器癌 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
前年度に引き続き、DU-PAN-2(D-2)に対するポリクローナル抗イディオタイプ抗体(P-Id)および単クローン抗イディオタイプ抗体(M-Id)をそれぞれ固相化したEIA法を用いて、各種癌患者血中の抗D-2抗体価を測定し、特に進行度の確認された胃癌23例と大腸癌9例において進行度との関係を検討した。I期に比してIII期以上での抗体価の陽性率は高率であったが、早期癌であるI期においてもP-Id法で33%(4/12)、m-Id法で8%(1/12)に陽性例が認められた。さらに、この32例において進行度別にD-2抗原値と抗体価との関係を検討すると、抗原陽性例は32例中4例にみられたが、いずれもIV期であった。一方、抗体のみ陽性例はP-Id法で34%(11/34)に認められ、その中にI期症例が4例に含まれていた。また、M-Id法では19%(6/32)に抗体のみの陽性例がみられ、うち1例にI期例が含まれていた。この様にId抗体を用いたD-2抗体価の測定法は抗原値の測定に比して、遥かに高い陽性率が得られ、早期癌の診断にも有効な場合がかなりみられた。 P-Idを用いた親和性カラムで癌患者血清より抗D-2抗体を精製した。その溶出分画はP-IdとM-21の双方に対して反応したが、D-2抗原は素通り分画のみに検出された。このことより、素通り分画にはD-2抗原抗体複合物の存在する可能性は考慮されたが、Idに対してはD-2抗原抗体反応物は反応しないものと考えられた。さらに、この溶出分画をSDS電気泳動後、ウエスタンブロッテングを行うと、この分画は^<125>I標識D-2抗原ならびに^<125>I標識M-Idのいずれとも反応し、同じ泳動位置に活性帯が検出された。このことより、EIA法にて検出される抗D-2抗体は、D-2抗原にも反応することが示され、癌患者血中にはその様な自己抗体の存在することが証明された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 山川 治 ほか: "抗イディオタイプ抗体を用いた癌患者血中抗DU-PAN-2自己抗体の測定に関する基礎的検討" 腫瘍マーカー研究会誌. 7. 233-235 (1992)
-
[Publications] 澤武 紀雄 ほか: "DU-PAN-2抗原に対する抗イディオタイプ抗体の免疫応答の解析と癌診断治療への応用" がん治療のあゆみ. 12. 81-89 (1993)
-
[Publications] O.Yamakawa,et al.: "Preparation of anti-idiotypic antibodies against anti-DU-PAN-2 monoclonal antibody and enzyme-linked immunosorbent Assay for serum levels of anti-DU-PAN-2 antibody" Cancer Res.
-
[Publications] O.Yamakawa,et al.: "Usefulness of an anti-DU-PAN-2 antibody assay and identification of atuologous antibody against DU-PAN-2 antigen in cancer patients" Cancer Res.
-
[Publications] S.Sakai,et al.: "Evidence for the common evolutionary origin of the C4/slp loci in the two wild mouse derived H-2 haplotype,W7 and W19" Immunogenetics. 35. 347-350 (1992)
-
[Publications] T.Wakabayashi,et al.: "Diagnostic significance of cancer-associated carbohydrate antigen concentrations in pancreatic juice:Analysis in pure pancreatic juice collected by endoscopic aspiration" Pancresa. 8. 151-159 (1993)