1992 Fiscal Year Annual Research Report
気道上及塩素イオンチャンネル及びその制御蛋白の異常と気道湿性病態の解析
Project/Area Number |
03454235
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Research Institution | Juntendo University School of Medicine |
Principal Investigator |
貫和 敏博 順天堂大学, 呼吸器内科, 助教授 (40129036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬山 邦明 順天堂大学, 呼吸器内科, 助手 (10226681)
高橋 英気 順天堂大学, 呼吸器内科, 講師 (90216747)
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Keywords | 気道上皮細胞 / CFTR遺伝子 / 塩素イオンチャンネル / 嚢胞性線維症 / びまん性汎細気管支炎 / SSCP法 |
Research Abstract |
本研究の目的は嚢胞性線維症(cystic fibrosis; CF)の原因遺伝子と同定されたcystic fibrosis transmembrane conductance regulator(CFTR)遺伝子が気道上皮細胞の粘液分泌に関する塩素イオンチャネルである事実を踏まえ、日本における特異な慢性気道湿性疾患(びまん性汎細気管支炎、びまん性気管支拡張症など)に本遺伝子異常が関与する可能性を検討することである。 本年度は検討exon数を全28個に増やして前年度と同じ18症例で検討した.1991年秋にゲノムのCFTR遺伝子の全構造が明らかになり、本研究はexon毎にSSCPを検討する方向に変更した.本年度は温度勾配ゲル電気泳動を導入する計画であったが、実際の手技はスクリーニングとして煩雑で、また最終的に塩基配列決定が必要であるので申請した機器は購入しなかった.exonは前年度の4、7、10、11、19、20に加え、新たに22 exonに関して検討した.これらの内exon 2、4、5、7、8、13b、14a、14b、15、17b、20、23では検討18症例に共通してSSCPに差は認めなかった.exon 12、18では2種の移動度差パターンを見たものが3例あった.exon 3、24では同一パターンの移動度差を2例に認めた.exon 6b、9、10、24では正常多形性と予想されるパターンのホモ接合、ヘテロ接合の例を認めた.内exon 6bは5′ splice siteに4塩基欠落を見たが、siteとしての塩基配列は変わらず、スプライスそのものには影響がないと考えられた.exon 9、11、19、21、22、24は塩基変異に由来すると考えられる移動度差パターンを各一例に認めた.exon 1、13a、16、17aはPCR増幅DNA断片が大きく、泳動条件の検討と直接塩基配列決定の必要がある.全SSCP例の直接塩基決定は完了できなかったが、一部exonll、^<1776>Leu(TTG)-Val(GTG)の例など確認した.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Takabe,K.: "A newvariant of α-1-antitrypsin deficiency (siiyama) associated with pulmonary emphysema." Internal Medicine. 31. 702-707 (1992)
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[Publications] Ohwada,A.: "Gene analysis of heterozygous protein C dificiency in a patient with pulmonary arterial thromboembolism" Am.Rev.Respir.Dis.145. 1491-1494 (1992)
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[Publications] 貫和 敏博: "日本のalpha1-antitrypsin欠損症における遺伝子変異とその背景" 日本胸部疾患学会雑誌. 30. 1420-1426 (1992)
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[Publications] 貫和 敏博: "呼吸器系疾患の遺伝子学ー遺伝子解析および遺伝子工学の応用ー" 最新医学. 47. 1654-1678 (1992)
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[Publications] Takahashi,K.: "An adult case of a massive chest wall tumor diagnosed as “Askin tumor" with successive treatment by intensive combined modality therapy" Chest, in press.(1993)
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[Publications] Takahashi,H.: "Cathepsin L activity is increased in alveolar macrophages and bronchoalveolar lavage fluid of smokers." Am.Rev.Respir.Dis.in press. (1993)
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[Publications] 貫和 敏博.原沢 道美、工藤 翔二 編集: "日常臨床のためのびまん性肺疾患(呼吸器疾患シリーズ2)" 特発性間質性肺炎の病因をめぐる最近の話題, 246 (1992)
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[Publications] 貫和 敏博.高久 史磨 監修: "外来診療のすべて" 珪肺、石綿肺、特発性間質性肺炎, 823 (1992)