1991 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性脳炎の発症機序の解明と新しい治療法の開発
Project/Area Number |
03454245
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
田平 武 国立精神・神経センター, 神経研究所・第6部, 部長 (80112332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 隆 国立精神, 神経センター・神経研究所・第6部, 室長 (90231670)
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Keywords | アレルギ-性脳炎 / 多発性硬化症 / 自己免疫 / マイクロダイアリシス / ニュ-ロトランスミッタ- |
Research Abstract |
〈目的〉自己免疫性脳炎の発症機序の解明を目的として、実験的アレルギ-性脳脊髄炎(EAE)における炎症のmediator、炎症の初期反応をマイクロダイアリシス法にて解析する。今回は、Serotonin(5ーHT)の動向に焦点をあて解析した。 〈方法〉実験には200ー250gの雌性Lewisラットを用いた。ネンブタ-ル(40mg/kg)麻酔下、脳定位固定装置を用いてbregmaより後方2mm、正中線より右2mm、深さ2mmの位置にガイドステンレス管(CMA12用ガイドカニュ-ラ、BAS社)を挿入し、デンタルセメントで固定した。48時間後、EAE群にモルモットMBPフラグメント68ー84(Sigma)100μgをCFAと共に感作した。Control群には何も感作は行なわなかった。透析液の回収は、無麻酔無拘束下ガイドステンレス管よりCMA/12マイクロダイアリシスプロ-ブ(BAS)を4mm脳内に露出させ、リンゲル液を2.5μl/minの流速で潅流して行なった。透析液は氷冷下に40分間(100μl)回収した。透析液の5ーHT並びにその代謝産物である5ーHIAAの量は、Neurochemにて測定した。 〈結果〉今回用いた透析液の回収法では、殆どの5ーHTはその代謝産物である5ーHIAAとして回収された。Control群において透析液を経時的に回収したが、5ーHIAAの量に大きな変動はなかった(平均値;7.3±2.4ng/ml)。MBPを感作したモルモットから発病初日に透析液を回収したところ、5ーHIAA量はそれぞれ9.8、12.7、8.6、17.9ng/mlでControl群平均値比べ増加の傾向にあった。 〈考察〉研究は未だ途中であり、結論には至っていない。今後5ーHTの動向を把握する上で経時的なサンプリングが必須である。このような解析のこころみは新しく、EAE発症における5ーHTや他の炎症のmediatorの動向を明らかに出来ると考える。
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