1993 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト表皮の免疫担当細胞における情報伝達系についての検討
Project/Area Number |
03454272
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Research Institution | Yamanashi Medical University |
Principal Investigator |
玉置 邦彦 山梨医科大学, 医学部, 教授 (30010432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 敦 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30225693)
八坂 なみ 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00220129)
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Keywords | ヒトケラチノサイト / ヒトランゲルハンス細胞 / HLA-DR / ICAM-1 / 1,25(OH)_2D3 / グリセオフルビン / CLA |
Research Abstract |
ヒトケラチノサイト(HKC)のIIFN-γによるHLA-DRおよびICAM-1発現におけるProtein Kinase Cおよびcalmodulin系の関与については一応論文としてまとめ、研究成果報告書に掲載した。論文自体はもう少し推稿する必要があると考えている。また、1,25(OH)_2D3(活性型ビタミンD3)によるHKCへのIFN-γによるHLA-DRおよびICAM-1発現への関与については既に報告してあり、これも研究成果報告書にまとめた。1,25(OH)_2D3と同様の機能を抗白癬剤である、グリセオフルビンが保有することを見出し、これも報告した。更に、このことより、グリセオフルビンが開口部プラズマ細胞増殖症に有効であることを臨床的にみいだし、これも近々論文として掲載される予定である。また、これらの事実より、グリセオフルビンには、これまでに考えられていなかった免疫調節作用のある可能性を考え、これも難治性の特発性色素性紫斑に臨床応用したところ、非常に有効という結論を得た。これは現在論文を準備中であるが、グリセオフルビンの免疫調節という新しい視点を見出したものと考えている。 ヒトランゲルハンス細胞(LC)についての検討では、研究報告書の終わりにのせた如き、LCの遊走、とくに表皮内への遊走という観点から、研究をすすめてきている。ヒトLCを含んだ細胞浮遊液を、ヒト皮膚と共に培養し、LCが表皮内へ遊走しうるか否か、もし遊走しうるとすればその際にどういう分子を必要としているのかという実験であるが、LCは表皮内へは遊走しうるが、表皮内への遊走はごく稀にしか認められず充分に解析できていない。しかし、正常皮膚、培養正常皮膚および皮膚疾患の皮膚による実験では、LCの表走内遊走には、LCにCLA(Cntaneous Lymphocyte Antigen)の発現が必要であることを示唆する結果を得ており、更に検討を進める予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kunihiko Tamaki,A.Saitoh,N.Yasaka: "Differential effect of griseofulvin on interferon-γ induced HLA-DR and intercellular adhesion molecule-1 expression on human keratinocytes" Brit J Dermatol. 127. 258-261 (1992)
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[Publications] 玉置邦彦: "ランゲルハンス細胞" 皮膚臨床. 35. 1201-1206 (1993)
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[Publications] Kunihiko Tamaki,K.Tsukamoto,M.Furue: "Treatment of plasma cell cheililts with griseofulvin" J Am Acad Dermatol. in press.