1991 Fiscal Year Annual Research Report
新しい免疫電顕法を用いた基底膜抗原蛋白が皮膚水疱症の発生に果す役割についての研究
Project/Area Number |
03454275
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 宏 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00146672)
橋本 隆 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20129597)
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Keywords | 免疫電顕 / 基底膜 / 類天疱瘡 / 金コロイド / 凍結置換 / 凍結固定 |
Research Abstract |
1.VII型コラゲンについて:VII型コラゲンのカルボキシ末端に対するモノクロ-ナル抗体であるLH7.2と、VII型コラゲンのコラゲン部分に対するポリクロ-ナル抗体をそれぞれ用いて、その局在部位をpreーembeddingおよびpostーembeddingを用いた金コロイド免疫電顕法にて検索した。その結果、正常人皮膚の基底膜に存在するanchoring fibrilでは、fibrilの両端にVII型コラゲンのカルボキシ末端が存在し、anchoring fibrilの中央線維部分はコラゲン本体に対する抗体と反応性を示すことがわかった。また、日本人の後天性表皮水疱症患者血清中に存在する抗皮膚基底膜抗体と、LH7.2モノクロ-ナル抗体との正常皮膚に対する反応性を見たところ、両者ともanchoring fibrilの両端のみとの反応性を示した。以上の結果から、VII型コラゲンにより構成されるanchoring fibrilのより明らかな構造、および後天性表皮水疱症抗原との関係が明確となった。 2.猿天疱瘡抗原について:類天疱瘡抗原蛋白は主に分子量230kd,及び170kdという2種の異なった分子量の蛋白により成り立っているが、正常皮膚において両者の微細局在部位に差があるのか否かについては明らかにされていなかった。我々は、類天疱瘡患者血清よりそれぞれ、230あるいは170kdの蛋白に対する自己抗体を免疫ブロット法を応用してaffinity purifyした。金コロイドを用いたpostーembedding免疫電顕により、それぞれの抗体と正常人皮膚との微細反応部位を観察したところ、230kdに対する抗体は皮膚基底膜ヘミデスモゾ-ムの細胞内側に、170kdに対する抗体はより外側の細胞膜に近い部分と反応性を示す可能性が示唆された。さらにより詳細な検討を今後行う予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shimizu H,Hashimoto T,Nishikawa T,Eady RAJ: "Human monoclonal antiーbasement membrane zone antibodies derived from virally transformed lymphocytes of a patient with bullous pemphigoid recognize epitopes associated with hemidesmosomes." British Journal of Dermatology. 124. 217-220 (1991)
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[Publications] Hiroshi Shimizu,Robin AJ Eady: "Postーembedding immunoelectron microscopy of tissue processed by rapid freezing and freezeーsubstitution without chemical fixatives." J Histochem Cytochem. 39. 545- (1991)
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[Publications] Yuko Onodera,Hiroshi Shimizu,Takeji Nishikawa: "Cryofixed,freezeーdried and paraffinーembedded skin enables successful immunohistochemical staining of skin basement membrane antigess." J Invest Dermatol.