1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454288
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 健 大阪大学, 医学部, 教授 (70028455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 雅俊 大阪大学, 医学部, 講師 (00179649)
播口 之朗 大阪大学, 医学部, 助教授 (10028459)
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Keywords | アルツハイマー病 / buffy coat / 接種実験 / neurofilament / ハムスター / amyloid蛋白 / ubiquitin / リン酸化 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の病因に関してはまだ推測の域を出ない。現在のところ、遺伝、金属中毒、免疫異常、感染などが考えられている。研究代表者を中心とするグループは、遺伝性については家族性アルツハイマーの検討を、金属中毒についてはアルミニウム中毒動物脳の蛋白変化を、免疫性要因についてはアルツハイマー病患者のリンパ球免疫能の変化を検討してきた。今回はアルツハイマー病の病因としての感染性要因の関与について、家族性、孤発性アルツハイマー病患者及び健常者から採取した血液buffy coatをハムスターの脳内に接腫した。接腫後18カ月後に脳組織を細胞骨格蛋白である200Kneurofilament、tau、ubiquitinなどの抗体を用いて免疫組織学的に検討した。さらに、病変のみられたハムスター脳を新たにハムスター脳に接種し、継代接種さらには第3世代接種とし、同様の検討を行った。初代、継代、第3世代共に、家族性、孤発性を問わずアルツハイマー病患者buffy coat接種脳では、抗200Kneurofilament抗体で染色される線維造成を胞体的に蓄積する神経細胞を認めた。これらの線維はtau及びubiquitinに対する抗体でも染色された。しかし、健常者のbuffy coatを接種した群では病変は認められなかった。第3接種群では接種3カ月で線維の蓄績を認めたが、この線維は抗体の使い分けによりこれまでのものとは異なりリン酸化されていないneurofilamentが染め出された。今回の結果は、buffy coat接種によりハムスター脳内に惹起される病変がアルツハイマー病で惹起されているものに類似性があり、感染性病因を示唆する知見と考えられる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] M.Takeda: "Inoculation study of Alzheimer buffy coat to hamster brain" Advance in Bioscience. 87. 325-326 (1993)
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[Publications] T.Nishimura: "Characteristics of Alzheimer cells with a mutation 717APPVal-Ile in amyloid beta protein precursor" Advance in Bioscience. 87. 319-320 (1993)
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[Publications] 武田雅俊: "アルツハイマー病研究に関する最新の進歩-アミロイドβ蛋白前駆体の突然変異の意義とアミロイドβ蛋白沈着のメカニズムについての仮説-" 臨床精神医学. 21(12). 1889-1895 (1992)
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[Publications] 西村健: "健康の定義と分類" 老年期痴呆. 7. 421-423 (1993)
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[Publications] 武田雅俊: "アルツハイマー病-アミロイドβ蛋白沈着メカニズムとアミロイドβ蛋白前駆体の突然変異の意義" 現代医療. 25(1). 23-30 (1993)
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[Publications] 武田雅俊: "老人斑・アミロイドをめぐる研究" 治療. 75(7). 53-57 (1993)
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[Publications] 西村健: "老年期の精神障害" ライフ・サイエンス, 162 (1993)
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[Publications] 工藤喬: "新生化学実験講座第10巻" 東京化学同人, 497 (1993)