1992 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系におけるニューロトキシンとしてのフリーラジカルの挙動に関する研究
Project/Area Number |
03454292
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
土橋 宣昭 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (20005474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 光弘 山形大学, 工学部, 教授 (60007010)
森 則夫 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00174376)
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Keywords | in vivo ESR / 電子スピン共鳴 / ニトロキシドラジカル / イデベノン / ビタミンE / スーパーオキシドディスムターゼ / 活性酸素 / 酵素電極 |
Research Abstract |
活性酸素を中心にしたラジカル種が中枢神経系の障害発現に関与していると考えられる現象が多い。このような状況を鑑みて、これら化学種をニューロトキシンとして捉えた時のフリーラジカルの挙動を解明することを目的として本研究を開始した。 1)インビボESR法によるニトロキシドラジカルの代謝の研究 ラットに投与したニトロキシドラジカルをESR法により体外計測し、その消長を観測した。前年度に引き続き、対照群、イデベノン・ビタミンE投与群におけるTEMPOLの代謝を比較した。この結果、抗酸化剤であるイデベノン・ビタミンE投与ラットでは、TEMPOLの代謝に変化が起きていることが明らかになった。ラットに投与されたニトロキシドラジカルは、体内でヒドロキシルアミンに還元され排泄されると考えられている。従って抗酸化剤の投与によって、ラット体内における還元能が変化ている(この場合持続性が高まっていると考えた)ことがわかった。イデベノンは脳代謝改善剤として広く臨床使用されている薬剤であり、次年度ではこの観点から結果を改めて考察したい。 2)活性酸素感応電極の試作 スーパーオキシドディスムターゼを固定化した微小電極の試作を行った。これは前年度のフィブロインを用いて固定化した原型よりも微小化を進めた形で進行し、スーパオキシド発生モデル系において、スーパーオキシドの発生と相関した電流応答を示した。次年度においてはこの電極の各種特性の検討と応用性につき進展させたいと考える。 以上、インビボESR法、活性酸素感能電極という本研究における二つの方法論につき基礎的検討を行った。いずれも、これ自体本分野における成果として重視されるべき内容であるが、次年最終年度において深く解析し、本課題の一層の推進をはかりたい。
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[Publications] 土橋 宣昭.松本 清治: "ESR-CTの基礎と臨床応用" 新医療. 19. 39-42 (1992)
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[Publications] 土橋 宣昭(分担): "バイオ電磁工学とその応用" フジ・テクノシステム, 833 (1992)